
政府は24日、2025年版の自殺対策白書を閣議決定しました。2024年の国内の自殺者総数は2万320人で、前年より1517人減少し、1978年の統計開始以降2番目に少ない水準となりました。しかし、小中高生の自殺者数は529人に達し、過去最多を記録したほか、15歳から29歳の若者の自殺者は3125人に上り、5年連続で3000人を超える深刻な状況が続いていることが明らかになりました。
小中高生の自殺者数は、新型コロナウイルス流行後の2020年以降、500人前後で高止まりが続いています。2024年の内訳は小学生15人、中学生163人、高校生351人で、男女別では女子が290人、男子が239人となり、女子が初めて男子を上回りました。原因・動機では「学校問題」が272人と最も多く、学業不振が65人、学友との不和(いじめ以外)が60人などとなっています。次いで「健康問題」、「家庭問題」が続きました。
自殺対策白書によると、15歳から29歳の自殺者3125人のうち、男性は1859人、女性は1266人でした。各年代で男性が女性を上回りましたが、10代後半のみ女性347人が男性313人より多くなっています。特に若い女性では、医薬品などの服毒による自殺の割合が高く、20代から30代前半では自殺未遂歴がある人が4割を超えていることが判明しました。近年社会問題化している市販薬の過剰摂取「オーバードーズ(OD)」については、40歳未満の自殺未遂者の6割がODで搬送されていたことも明らかになりました。
大学生の自殺も深刻です。2024年の大学生の自殺者は434人で、男女とも21歳が最も多く、原因・動機では「進路に関する悩み」が最多でした。男性では「学業不振」も多く、女性では「病気の悩み(うつ病)」などの健康問題が目立ちました。就職や進学という人生の分岐点を迎える時期に、追い詰められる若者が多いことが浮き彫りになりました。
また、若者では無職者の自殺死亡率が高く、原因では「病気の悩み(うつ病)」が最も高い割合となりました。有職者では「病気の悩み(うつ病)」のほかに「職場の人間関係」などの仕事上の問題の割合も高くなっています。
求められる包括的支援と相談窓口の充実
厚生労働省の担当者は「ODへの対策が自殺未遂対策としても重要」と位置づけ、「救急搬送後に再び自殺を試みないよう包括的な支援が必要だ」としています。政府は今年6月に成立した自殺対策基本法の一部改正法も踏まえ、関係省庁と連携し、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して、自殺総合対策を強力に進めていく方針です。
厚生労働省は、電話やSNSなど相談窓口の利用を呼びかけています。「こころの健康相談統一ダイヤル」(0570-064-556)のほか、「#いのちSOS」(0120-061-338)、「いのちの電話」(0570-783-556)などが設置されています。また、厚生労働省のサイト「まもろうよ こころ」では、LINEやチャットで相談を受けている団体を紹介しています。










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