
第38回東京国際映画祭が10月27日に開幕し、オープニングセレモニーにおいて俳優の吉永小百合(80)が特別功労賞を受賞しました。東京国際映画祭は40年の歴史を持ちますが、日本の女性俳優が同賞を受賞するのは今回が初めてです。
吉永は1959年に映画「朝を呼ぶ口笛」で本格的にデビューして以来、第一線で活躍を続けており、出演映画の本数は120本以上に及びます。日本アカデミー賞では史上最多となる最優秀主演女優賞を4度受賞し、文化功労者としての選出や紫綬褒章の受章など、日本の映画文化の向上に多大な貢献を果たしてきました。
授賞式では、映画祭のコンペティション部門審査委員長を務めるイタリアのカルロ・シャトリアン氏がトロフィーを授与し、安藤裕康チェアマンが花束を贈呈しました。安藤チェアマンは「吉永さんは昭和、平成、令和の3世代にわたって日本映画のど真ん中にいて、すばらしい活躍をしてくださっている」と称賛しました。
吉永はトロフィーを受け取ると「素晴らしい賞をいただき、本当にありがとうございます」と感謝の言葉を述べ、「3年前に大好きな先輩の野上照代さんがこの賞を受賞されているのでとても光栄です」と続けました。そして「これからも一歩一歩映画の道を歩いていけたらと思う」と、さらなる活動への意欲を見せました。
今回のオープニング作品「てっぺんの向こうにあなたがいる」は、女性として世界で初めてエベレスト登頂に成功した登山家・田部井淳子さんの半生を描いた作品で、吉永が主演を務めています。田部井さんは1975年5月16日に女性として世界初のエベレスト登頂を達成し、その後も1992年には女性世界初となる七大陸最高峰登頂者となりました。
映画はエベレスト登頂という輝かしい業績だけでなく、田部井さんが余命宣告を受けた晩年に東日本大震災で被災した東北の高校生たちと富士山に登るプロジェクトに力を注いだ姿も描いています。監督は阪本順治氏が務め、青年期の田部井さんをのんが演じています。作品は10月31日から全国公開されます。
レッドカーペットには、吉永が着物姿で登場し、帯の前面には田部井さんの写真、背面にはエベレストがデザインされたものを身につけていました。吉永は「田部井さんとご一緒にこの夜を楽しみたいと、この帯にお写真をお借りして参りました」と、田部井さんへの敬意を表しました。
映画祭は11月5日まで開催
東京国際映画祭は1985年に日本初の大規模な映画の祭典として創設され、今年で40年目を迎えました。当初は隔年開催でしたが、1991年以降は毎年開催されるようになり、「アジア最大級の国際映画祭」へと成長しました。
今回の映画祭は11月5日まで10日間にわたって開催され、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区を会場に183本の映画が上映されます。コンペティション部門には108の国と地域から1970本の応募があり、厳正な審査を経て15作品が選ばれました。審査委員長を務めるのは、2020年から2024年までベルリン国際映画祭のアーティスティック・ディレクターを務めたカルロ・シャトリアン氏です。









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