
北海道の鈴木直道知事は12月10日の道議会予算特別委員会で、北海道電力泊原子力発電所3号機の再稼働に同意することを正式に表明しました。泊原発3号機は出力91.2万キロワットの加圧水型軽水炉で、東日本大震災による福島第一原発事故の翌年である2012年5月に定期検査のため運転を停止して以来、13年間にわたり停止が続いていました。
鈴木知事は同意の理由について、安全性の確保を前提としたうえで「道内経済の成長や温暖化ガス削減につながる」と指摘しました。また「再稼働により企業が投資判断する際の予見性を高め、道内での投資促進や雇用の拡大につながる」と述べました。安定した電力供給の確保と脱炭素電源の確保により、電気料金の値下げが見込まれることも判断材料となりました。
泊原発3号機は2025年7月30日に原子力規制委員会の安全審査に正式合格し、新規制基準に適合していると認められました。審査は2013年7月の申請から約12年の長期間を要しました。原子力規制委員会の山中伸介委員長は「地震や津波に関する審査には時間がかかったが、相当正確な判断が行えた」と述べています。
再稼働に必要な地元同意については、道知事と原発立地・周辺4町村の首長の同意が実質的に必要とされています。立地・周辺の泊村、共和町、岩内町、神恵内村の4町村の首長はすでに11月から12月にかけて同意を表明しており、鈴木知事の同意表明により地元同意が出そろったことになります。鈴木知事は12月4日に泊原発を視察し、立地・周辺4町村の首長と面会して意見交換を行っていました。
防潮堤建設など大規模安全対策工事を実施中
北海道電力は再稼働に向けて、津波対策として海抜19メートル、延長約1.2キロメートルの防潮堤の建設工事を進めています。防潮堤は地中の強固な岩盤に直接支持させる「岩着支持構造」を採用し、地震による液状化にも耐える設計となっています。原子力規制委員会の審査では、原発敷地に到達する津波の最大高さを17.8メートルと計算し、海抜19メートルの防潮堤設置により施設の安全機能が損なわれることはないとされています。
防潮堤の工事進捗率は約40パーセントで、北海道電力は2027年3月頃までの完成を目指しています。総工事費は約1800億円が見込まれています。防潮堤完成後の2027年早期の再稼働を北海道電力は目標としています。
再稼働の前提となる安全対策工事には、防潮堤建設に加えて核燃料搬入用の新港整備や専用道路の建設も含まれています。新港は泊原発の北側に位置する渋井地区に建設される計画で、原発と結ぶ専用道路も整備されます。北海道電力は一連の安全対策に現時点で約6300億円程度を投じる計画です。2025年7月時点での安全対策費は従来比22パーセント増の6270億円に上るとの見通しが示されています。
鈴木知事は「できるだけ早く国に伝えたい」と述べ、自身の同意判断を速やかに政府に報告する意向を示しました。北海道電力の斎藤晋社長は知事の同意表明を受けて「早期の再稼働に向けて、残りの審査や新たな防潮堤などの安全対策工事に全力で取り組む」とコメントを発表しました。今後は原子力規制委員会の残る審査手続きや安全対策工事の完了を経て、2027年の再稼働実現を目指すことになります。












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