
南米ベネズエラで、アメリカに拘束されたニコラス・マドゥロ大統領に代わり、デルシー・ロドリゲス副大統領が5日、暫定大統領に正式就任しました。この異例の事態は、トランプ政権が1月3日未明にベネズエラの首都カラカスで大規模な軍事作戦を実施し、マドゥロ大統領夫妻を拘束・連行したことに端を発しています。
ベネズエラ国会で5日に開かれた就任式で、ロドリゲス氏は「すべてのベネズエラ国民の名において」宣誓を行いました。式典には、マドゥロ大統領の長男で国会議員のニコラス・マドゥロ・ゲラ氏も出席し、「デルシー、あなたを無条件で支持する。私と家族を頼ってほしい」とロドリゲス氏への支持を表明しました。また、ロドリゲス氏の兄で国会議長を務めるホルヘ・ロドリゲス氏も、拘束されたマドゥロ大統領を「取り戻す」ために「あらゆる手続き、あらゆるプラットフォーム、あらゆる手段」を模索すると強調しました。
ロドリゲス氏は就任式の宣誓で、拘束されたマドゥロ大統領と妻のシリア・フロレス氏について「米国で人質となっている2人の英雄が拉致されたことに深い悲しみを感じる」と述べ、マドゥロ氏への忠誠心を示しました。また、3日のアメリカによる軍事作戦を「不当な軍事的侵略」と非難する姿勢を示しました。
一方で、ロドリゲス氏は4日に発表した声明では一転してアメリカ政府に協力する姿勢を表明しており、国内向けと対米関係の間で難しい舵取りを迫られています。トランプ大統領は記者会見で、ロドリゲス氏がマルコ・ルビオ国務長官と長い会話を交わし、「ベネズエラの事実上の指導者として必要なことは何でもすることに同意した」と明らかにしました。また、トランプ大統領は4日、雑誌のインタビューで、ロドリゲス氏に対し「正しいことをしなければ、マドゥロよりも大きな代償を払うことになるだろう」と警告し、協力を迫りました。
ロドリゲス氏は56歳で、パリやロンドンの大学で学び、弁護士資格を持っています。マドゥロ政権下で通信情報相、外相、副大統領、石油相などの要職を歴任し、特に2020年に財務相に就任してからは、公共支出削減などの政策によってハイパーインフレを抑制し、GDP改善に貢献したことで知られています。この経済手腕がトランプ政権の目に留まったとアメリカメディアは報じています。
拘束された大統領が初出廷 無罪主張
一方、アメリカに拘束されたマドゥロ大統領は5日、ニューヨーク市の連邦地方裁判所に初出廷し、麻薬密輸に関与した罪などについて無罪を主張しました。マドゥロ大統領は麻薬テロへの共謀、コカインの輸入に関する共謀、機関銃および破壊的装置の所持など、4つの罪で起訴されています。
法廷で裁判官に名前を確認されると、マドゥロ大統領はスペイン語で「私はニコラス・マドゥロ・モロスだ。ベネズエラの大統領だ。カラカスの自宅で誘拐された」と述べ、裁判官から発言を制止される場面もありました。罪状認否では「私は無実で無罪だ」「私はまっとうな人間だ」と述べ、起訴内容を全面否認しました。また、傍聴席から「報いを受けろ」と叫ばれた際には、「私は戦争捕虜だ」と答えたということです。
弁護側は、国家元首には免責特権があるとして「マドゥロ氏の逮捕は合法性に問題がある」と主張し、時間をかけて争う姿勢を示しました。次回の審理は3月17日に行われる予定です。今回の軍事作戦で、民間人を含む少なくとも80人が死亡したとニューヨーク・タイムズが報じており、キューバ政府は攻撃でベネズエラ軍や警察で任務に就いていたキューバ人32人が死亡したと発表しています。


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