
スペインのサンチェス首相は2月3日、アラブ首長国連邦のドバイで開催された世界政府サミットで演説し、16歳未満の子どもによるSNS(交流サイト)の利用を禁止する方針を表明しました。SNS運営企業に対しては、「単なるチェックボックスではなく実効性のある」年齢確認システムの導入を義務付けるとしています。サンチェス首相は「子どもたちは、本来ひとりで踏み込むべきではない空間にさらされている。依存、虐待、ポルノ、操作、暴力の空間だ。これ以上容認しない。デジタルの”無法地帯(ワイルド・ウェスト)“から子どもたちを守る」と力強く訴えました。あわせて、SNS上の違法コンテンツやヘイトスピーチを放置した場合にはプラットフォーム企業の経営陣に法的責任を負わせる新法案を提出する意向も示しています。さらに、スペインの検察当局がマスク氏所有のXのAIサービス「Grok」やTikTok、インスタグラムによる法的違反の可能性について調査方法を検討していることも明らかにしました。ただし、サンチェス首相率いる社会労働党は下院で過半数の議席を持っておらず、法制化の実現までには紆余曲折が予想されます。この方針に対し、X(旧ツイッター)のオーナーであるイーロン・マスク氏は激しく反発し、「サンチェスは暴君で裏切り者だ」とXに投稿するなど批判をエスカレートさせています。一方で、スペイン国内における規制支持の声は強く、調査会社イプソスが昨年8月に公表した30カ国対象の教育に関する世論調査では、スペイン人の約82%が14歳未満のSNS利用を禁止すべきだと回答しており、前年の73%から上昇しました。サンチェス首相はSNS規制に取り組む欧州5カ国による連携枠組み「デジタルにおける有志連合」への参加も表明し、欧州全体で連携して規制強化に取り組む姿勢を打ち出しています。
世界各国で広がる子どものSNS利用規制
子どものSNS利用を制限する動きは、いまや世界的な潮流となっています。先駆けとなったオーストラリアでは2025年12月、世界初となる16歳未満のSNS利用禁止法が施行されました。フェイスブックやインスタグラム、TikTok、X、ユーチューブなど10のプラットフォームが対象で、違反企業には最大約4,950万豪ドル(約51億円)の罰金が科されます。フランスでは2026年1月に国民議会(下院)が15歳未満のSNS利用禁止法案を可決し、政府は9月の施行を目指しています。デンマークも15歳未満の禁止に向け法制化を進めており、ギリシャも同様の方針です。欧州議会は2025年11月、SNS利用の最低年齢を16歳に統一するよう求める決議を賛成多数で採択しました。子どものメンタルヘルス保護と有害コンテンツからの隔離を目的に、プラットフォーム企業の責任を厳しく問う動きが世界規模で加速しています。








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