
米国とイランの核協議が膠(こう)着状態に陥る中、中東情勢が一気に緊迫化しています。6月13日、イスラエルがイランに対する大規模な軍事作戦を決行したことが明らかになりました。
イスラエルのカッツ国防相氏は同日、「イランに対して先制攻撃を実施した」「国内には特別緊急事態が宣言された」と公式に発表。作戦の標的となったのは、イラン国内の核開発関連施設など数十箇所に及ぶとされています。
米メディアのアクシオスによると、イランの首都テヘラン周辺では複数回の爆発音が確認されました。イスラエル側は従来からイランが核兵器製造に必要な高濃縮ウランを大量保有していることを問題視してきました。
今回の軍事行動は、脅威に対処する必要があるとするイスラエルの主張が実行に移された形となっています。核協議の停滞が続く中、直接的な軍事手段による解決策が選択されたことになります。
ネット上では、「トランプは戦争を辞めさせる気無いよね?」「イランのあいまい核武装はこうやって戦争を生むという事なんですね」「イスラエルはガザの件といい、平和を望む気持ちが無さそう」などの意見が寄せられています。
イスラエルとイランの間で激しい軍事衝突が展開 イランもミサイルを発射
中東地域では6月13日以降、イスラエルとイランの間で激しい軍事衝突が展開されています。イスラエル軍は15日、イラン中部イスファハンの核関連施設に対する大規模な爆撃作戦を実施したと公表しました。
さらに、首都テヘラン周辺でも核開発の中枢機能を担う施設群を含む80箇所以上を攻撃目標として空爆を敢行しています。
この一連の軍事行動により、224名の死者と1,257名の負傷者が発生。被害者の大部分を民間人が占めている状況です。
イスラエル側のサール外相は米CNNとの会見で、核兵器開発計画やミサイル関連施設へのさらなる攻撃継続を明言しています。一方で体制変革が目的ではないと言及し、それはイラン国民の判断に委ねるべきだと表明しました。
報復として、イランからは270発を超えるミサイルがイスラエル領内に向けて発射され、うち22発が着弾を確認しています。イスラエル側では13名の死者と390名の負傷者を記録。テルアビブ近郊のラマトガンでは弾道ミサイルによる直撃で死傷者が発生し、住宅地に甚大な被害をもたらしています。
トランプ米大統領は双方に対して停戦協議への参加を促していますが、ネタニヤフ首相は被災地視察の際、イランに対するさらなる報復措置を示唆する発言を行っています。