
有料動画配信市場が大きな転換点を迎えています。調査会社メディア・パートナーズ・アジア(MPA)によると、日本の有料動画配信市場の総売上は2025年に72億ドル(約1兆1000億円)に達し、前年比15%の成長を記録しました。
Netflix、Prime Video、U-NEXTの3サービスで市場の半分を占める「三つ巴」体制が固まりつつあります。MPAの調査ではNetflixが売上シェア22%で首位に立ち、6年連続で国内シェア1位を維持しています。
一方、Prime Videoは加入者数1930万人と国内最多で、ECサービスとの親和性の高さが利用者獲得を後押しする形です。国内勢のU-NEXTは売上シェア12%を維持し、動画だけでなくマンガ、音楽、スポーツ配信を一本化したサービス設計で差別化を図っています。2025年の有料動画配信の総加入者数はYouTube Premiumを含め約6790万人に達し、前年から約400万人増加しました。
ただし、1人あたりの視聴時間で見るとNetflixが月約20時間と最も長く、濃い視聴層をしっかりと捉えている構図です。総視聴時間シェアでは、テレビ局系の無料配信サービスTVerが23%で首位に立っており、有料・無料を含めた視聴行動の多様化が進んでいます。
コンテンツ面では視聴されている作品の約8割が国内とされ、2025年第4四半期の最多視聴タイトルはアニメ「SPY×FAMILY」。国内ドラマやアニメを中心とした「日本発コンテンツ」が牽引役となっています。
MPAのアナリストは、広告付きプランの収益化や通信会社とのバンドル、エコシステム全体でのマネタイズ強化が今後の成長を左右すると分析しています。
スポーツ配信への投資が加速 WBCが契機に
次の成長領域として注目されているのがスポーツのライブ配信です。Netflixは2026年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の独占配信権を獲得。U-NEXTも女子ゴルフメジャーやプレミアリーグの配信権を2028年まで押さえるなど、ライブコンテンツへの投資が加速しています。
一方、市場全体を見ると、定額制動画配信(SVOD)の国内市場規模はコロナ禍以降も拡大を続けているものの、成長率の鈍化が指摘されています。その中でNetflixはシェア1位を維持しつつも微減傾向、U-NEXTはシェア拡大を続けるなど、ユーザーのサービス選択傾向も徐々に変化している状況です。
加入者数の単純な積み上げではなく、広告付きプランやバンドル商品、ライブスポーツなど「視聴時間を獲得できるコンテンツ」によるエンゲージメント向上と解約防止が、今後の動画配信ビジネスの鍵になりそうです。








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