米国株式市場では11日、Microsoftの株価が上昇した影響でAppleの株価を追い抜き、首位を奪還しました。Microsoftの株価がAppleを上回るのは、2021年以来初となります。
Microsoftの株価は一時的に2%上昇し、時価総額は2兆9,030億ドルに達しました。一方、Appleは約0.9%の下落を記録し、時価総額は2兆8,710億ドルにとどまりました。
この株価動向は、今年に入って証券会社2社がiPhoneなどのApple製品への需要減少に対する懸念を示したことに起因しています。これにより、Appleの株価は年初来約3.3%下落しましたが、Microsoftは逆に1.8%の上昇を見せています。
アナリストのギル・ルリア氏は、「Microsoftは急速に成長しており、生成AI革命からより多くの恩恵を受けている。MicrosoftがAppleを追い抜くのは当然」と述べています。2023年、Appleの時価総額は12月14日にピークの3兆810億ドルに達し、年間取引を48%高で終えました。
これに対し、Microsoftは57%の価値増加を遂げています。現在、Microsoftをカバーする証券会社の約90%が買いを推奨しているなど、Appleに対する証券会社の見方は分かれています。株価収益率(PER)では、Apple株は過去10年間の平均19倍を上回る28倍で取引されており、Microsoftは24倍を上回る31倍の水準にあります。
ネット上では、「Appleは最近急速に評価が下がりつつある。理由はネタ切れだろう」「AIだけでなく、ゲームでもMicrosoftの存在感が高まっているように感じます」などの意見が寄せられています。
12日の株式市場、MSは株価388.47ドルで取引を終了
12日の株式市場において、Microsoftの株価は388.47ドルで取引を終了し、時価総額は2兆8,900億ドルに達しました。一方、Appleは185.92ドルで取引を終え、時価総額は2兆8,700億ドルにとどまりました。
この変動の背景には、Microsoftの生成AIへの成功が大きく寄与しています。2023年にナデラCEOの下でAI分野への巨額投資が行われ、自社製品に対話型AI「ChatGPT」を導入するなどしています。
一方、AppleはiPhoneの売上低迷など複数の課題に直面しており、中国での購入規制の報道が影響していると見られていますが、中国政府は現時点で規制の施行を否定しています。Apple製品の不振は競合他社、特にHUAWEIのシェア拡大に繋がっている現状もあります。株価の動向について、Microsoftはコメントを控えています。