来年6月W杯放映権、NTTドコモとDAZNが共同取得へ

来年6月W杯放映権、NTTドコモとDAZNが共同取得へ

2026年6月11日開幕のサッカーワールドカップ(W杯)北中米大会の日本国内放映権について、携帯電話大手のNTTドコモと、スポーツ専門の映像配信サービスDAZN(ダゾーン)が共同で取得する見通しであることが3日に判明しました。同大会から参加チームが従来の32から48に拡大し、試合数も64から104に増加することに伴い、放映権のあり方が大きく変わろうとしています。

ドコモが提供する動画配信サービスLeminoとDAZNが52試合ずつを配信する方向で最終調整が進んでいます。複数の関係者の話を総合すると、W杯北中米大会の放映権料は300億円規模であり、ドコモとDAZNが折半する方向で調整されているとのことです。これは2022年に開催されたカタール大会の放映権料200億円と比べて大幅に増加しており、国際サッカー連盟(FIFA)が試合数の増加を理由に引き上げを実施したことが背景にあります。​

当初、FIFAが設定した放映権料は400億円でしたが、取得先がなく減額される中、以前からプロモーションでタッグを組んでいるドコモとDAZNの両社が共同で獲得に成功したようです。地上波テレビについては、NHKがドコモとDAZNからサブライセンス(第三者への放映実施許諾)を取得し、最速で出場を決めた森保ジャパンの試合や開幕戦、決勝などを放送する見込みです。

テレビ朝日やフジテレビもサブライセンスによる中継を検討していますが、北中米での試合が日本時間の夜中から早朝にかけてとなるため、「うまみが少ない」という理由から実現は流動的な状況です。スポーツの放映権料高騰に伴い、民放各局の経営判断も厳しくなっているのが現状です。

従来、W杯の放映権は2002年日韓大会から2018年ロシア大会までNHKと民放各社が共同で構成する「ジャパンコンソーシアム(JC)」で取得されていました。しかし2022年カタール大会では放映権料の高騰により民放の足並みがそろわず、ABEMAが全64試合を生配信する方向へと転換したという経緯があります。今回の共同取得モデルは、スポーツ放映権の高騰化に対応した新たな形態といえるでしょう。

スポーツ放映権高騰化の深刻化

スポーツ放映権の高騰問題は、サッカーW杯にとどまりません。民放各局は採算が取れないという理由から、サッカーW杯アジア予選のアウェー戦は地上波から消えています。2026年3月に予定されているワールド・ベースボール・クラシック(WBC)についても、米動画配信大手ネットフリックスが独占放送権を取得しており、スポーツコンテンツのデジタル配信化が急速に進んでいます。

オリンピックについても同様の傾向が見られており、冬季の2014年ソチ大会と夏季の2016年リオデジャネイロ大会では合わせて360億円だった放映権料が、冬季の2018年平昌大会と夏季の2021年東京大会では660億円と2倍近くまで跳ね上がっています。今後の2026年ミラノ・コルティナ大会と2028年ロサンゼルス大会の放映権料は計475億円とされています。

英国ではスポーツを公共財と位置付け、国民的イベントの有料放送事業者による独占放送を法的に禁止する制度が導入されています。日本でもスポーツ中継の在り方について、法的整備を本格的に検討する段階に来ているという指摘が専門家からも上がっています。

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