
宝塚歌劇団の俳優養成機関「宝塚音楽学校」(兵庫県宝塚市)が、今春入学する第114期生の合格者40人を発表しました。 今年の受験者は422人で、競争倍率は10.55倍となり、今世紀に入ってからのワースト更新が続く中で、前年の113期(受験者470人、倍率11.75倍)を下回る水準となりました。 少子化に加え、宝塚歌劇団による風土改革などの影響もあり、近年は受験者数の減少が指摘されています。 一方で、合格者にとっては依然として狭き門であり、夢の舞台への第一歩となる節目の日となりました。
合格発表は、新型コロナウイルス禍以降に定着した方式を踏襲し、受験者のみが閲覧できる専用サイト上で行われました。 かつて春の風物詩だった校舎前での合格者番号掲示は、感染症対応やネット環境の普及などを背景に見送られた状態が続いています。 29日午前には、合格者が入学説明会に出席するために同校を訪れ、兵庫県宝塚市の校舎周辺には緊張と安堵が入り混じった表情と笑顔があふれました。 3度目の受験で合格をつかんだという17歳の高校2年生は、「うれしくて叫んだ。舞台上で、歌で輝ける男役になりたい」と抱負を語り、幼い頃からの夢に一歩近づいた喜びをにじませました。
同校は、宝塚歌劇団の舞台に立つ「タカラジェンヌ」を育てるための全寮制の教育機関で、2年間にわたり声楽、ダンス、日本舞踊、演劇などの厳しいカリキュラムが組まれています。 試験は1次から3次までの段階を経て行われ、面接や歌唱、ダンスの審査を通じて、舞台人としての素質や将来性が総合的に評価されます。 例年、合格者は4月中旬に実施される入学式を経て本格的な稽古生活に入っており、第114期生も同日に入学式を迎える予定です。 合格者40人は、2年間の鍛錬を経て宝塚歌劇団に入団する資格を得ることになり、華やかな大劇場の舞台を目指す日々が始まります。
少子化と風土改革で受験者減少、それでも続く「タカラジェンヌ」への憧れ
宝塚音楽学校の受験者数は、ここ数年で減少傾向が続いており、今世紀に入って以降の「ワースト更新」が相次いでいます。 2025年春に入学した第113期生は470人が受験し倍率11.75倍で、2000年以降で最も低い数字とされていましたが、114期ではそれをさらに下回る422人、10.55倍となりました。 その背景には、全国的な少子化に加え、2023年に宙組の俳優が急死した事案を受けて進められてきた宝塚歌劇団の風土改革が影響しているとみられ、厳しい上下関係や過酷な環境へのイメージが志願者の動向に影を落としているとの見方もあります。
一方で、倍率が下がったとはいえ10倍を超える狭き門であることに変わりはなく、合格者はいずれも幼少期からバレエや歌のレッスンを積み重ねてきた“エリート”が多いとされています。 願書受付から最終試験までの期間には、受験スクールなどで専門的な指導を受ける受験生も多く、家族ぐるみで挑む「一大プロジェクト」として臨むケースも少なくありません。 合格後は、スマートフォンの使用制限や厳格な校則の下で共同生活を送りながら、舞台人としての自律や礼儀作法も徹底して学ぶことになります。
こうした環境にもかかわらず、「宝塚の舞台に立ちたい」という憧れは根強く、毎年全国各地から志願者が集まっています。 夢を追って門を叩く若者がいる限り、宝塚音楽学校は100年以上続くタカラジェンヌ養成の役割を担い続けることになりそうです。









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