
KDDIが、不正会計問題を受けて子会社が手掛けるインターネット向け広告代理事業から撤退する方針を固めたことが分かりました。 対象となるのは、インターネット接続事業を担うビッグローブと、その子会社でポイント事業を手掛けるジー・プランにそれぞれ設けられていたネット広告事業で、不正の温床となったビジネスそのものを閉じることで信頼回復を急ぐ狙いです。
KDDIは2026年3月期までの累計で、グループの売上高が最大約2460億円過大に計上され、営業利益ベースで約330億円が外部に流出した可能性があると説明しています。 架空取引は2017年ごろにジー・プランが開始した広告枠の仲介ビジネスを起点に、その後ビッグローブも参入する形で拡大し、広告主が実在しない案件を含む取引を通じて資金を循環させるスキームが長期間続いていたとされています。
不正に関与したのはジー・プランの社員2人で、いずれもビッグローブに出向していたとされ、現時点でKDDI本体の社員による関与は確認されていません。 KDDIは、不正会計問題の全容解明に向け、外部の弁護士や公認会計士で構成する特別調査委員会を1月中旬に設置し、調査を委託しました。 同社は全社的な点検も進め、取引の急拡大や共通の取引先の有無などを確認した結果、同様の架空取引は今のところ他では見つかっていないとしています。 ただ、2025年4〜12月期の連結決算については、不正の影響で売上高約2460億円、営業利益約500億円が過大に計上されており、取り消しや修正が必要になる見通しで、開示は延期されたままとなっています。
特別調査委の報告とガバナンス見直しに焦点
KDDIは3月31日に記者会見を開き、特別調査委員会からの報告書を受けて、不正の詳しい経緯や再発防止策、関係者の処分内容などを公表する予定です。 会見では、ビッグローブとジー・プランによるインターネット広告事業からの撤退方針も正式に示される見込みで、グループ全体の事業ポートフォリオや資金の融通の仕組みについても見直しが焦点となります。 KDDIはこれまで、ビッグローブに対して約579億円規模の貸し付けを行うなど、グループ内で資金を融通する仕組みを取ってきましたが、不正を許した内部統制や監査体制の不備をどう是正するかが問われています。
今回の問題は、通信大手の子会社で9年近くにわたり月数百億円規模の取引が行われながら、グループとして適切に把握・統制できなかったガバナンスの弱さを浮き彫りにしました。 市場では、不正会計発表後にKDDI株が一時10%安と急落する場面もあり、投資家の信頼回復には時間を要するとの見方もあります。
一方で、全社的な点検で類似の不正が他に確認されていないことや、不正の中心となった広告事業から完全撤退する方針を示したことは、リスクの切り離しとガバナンス再構築に向けた一歩と受け止められています。 31日の説明では、社長を含む経営陣の責任の取り方や内部統制の再設計がどこまで踏み込んだ内容となるかが、今後の企業価値や通信インフラ企業としての信頼性を占う試金石となりそうです。










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