
2026年3月の国内株式市場は、歴史的な激震に見舞われました。31日の東京株式市場で日経平均株価の終値は5万1063円となり、2月末からの月間下落幅は7786円(13%)に達しました。これはバブル崩壊局面の1990年8月に記録した5057円を35年ぶりに塗り替える過去最大の下落幅です。
歴史的な急落の背景には、海上輸送の要衝であるホルムズ海峡の事実上の封鎖に伴う原油価格の暴騰があります。米原油先物相場が1バレル100ドルの大台を突破したことで、エネルギーの多くを中東に依存する日本経済への先行き不安が投資家の間で一気に広がりました。
今回の下落は、個別銘柄の動きにも深刻な影を落としています。特に影響が顕著だったのはタイヤ業界や石油化学分野です。住友ゴム工業は原料価格の高騰や供給網の寸断リスクから急落し、三菱ケミカルグループや三井化学もナフサの輸入減懸念により2割を超える下落を記録しました。また、中東発の世界景気減速を見越し、安川電機やファナックといったFA(工場自動化)関連や工作機械大手も軒並み2割以上の値を下げています。一方で、資源開発大手のINPEXが上場来高値を更新し、三菱商事などの総合商社が逆行高となるなど、エネルギー高を追い風とする銘柄にのみ限定的な資金流入が見られる歪な相場展開となりました。
市場関係者の間では、4月以降の相場についても悲観的な見方が根強く残っています。米国のトランプ大統領が停戦交渉の決裂を条件にイランへの攻撃を示唆しており、地政学リスクのさらなる激化が懸念されているためです。25年度を通じて株価が大幅に上昇してきた反動もあり、投資家が利益確定売りを急げば、日経平均の5万円の大台割れも現実味を帯びてきます。企業業績への不透明感が拭えない中、投資家は極めて神経質な判断を迫られています。
ホルムズ海峡封鎖によるコスト増と企業決算への不透明感
今回の記録的な株価下落において、市場が最も恐れているのは供給制約によるインフレの再燃と世界的な設備投資の停滞です。中東情勢の混迷によりエネルギー価格が高止まりすれば、製造業を中心とした日本企業の採算は急速に悪化します。特に自動車産業では、東南アジアの製造拠点における景気減速懸念に加え、世界的なサプライチェーンの混乱による生産減のリスクが指摘されており、三菱自動車が月間で28%下落するなど深刻な売りを浴びました。
今後の焦点は、4月下旬から本格化する企業決算の内容と、26年度の業績見通しに移ります。JPモルガン証券などの専門家は、実体経済へのダメージを正確に見極められるまでは、投資家が積極的なリスクを取りにくい状況が続くと分析しています。一方で、トランプ大統領が軍事作戦を早期に終了させる意向を周辺に伝えたとの一部報道もあり、31日の市場では一時買い戻しの動きも見られました。しかし、イラン革命防衛隊による報復の示唆など依然として予断を許さない状況が続いており、日本株が底を打つには、原油価格の安定と地政学的な緊張緩和が不可欠な条件となりそうです。
最近の日経平均株価の推移については下記もお読みください。
https://tokyonewsmedia.com/archives/tag/nikkei-stock-average












-300x169.jpg)