
主に少女の自立支援を行っている一般社団法人Colaboの会見にて、弁護団の角田由紀子氏が「アダルトビデオというのは、まさに女性を性的に虐待して、そのことを娯楽にしている類のものなんですね」と発言。そのことに対し、女性の多様な生き方を支援する一般社団法人sienteが、21日に抗議声明を発表しました。
sienteの公式サイトで、「角田氏がアダルトビデオと幅広く表現されているアダルトビデオ業界の中には、現在、適正AVという厳しい自主規制ルールに則った運用を行なっている業態があります」と発言し、その上で「適正AV業界では、出演者の意思決定を尊重し、人権を保護する自主規制ルールを敷いており、作品の表現内容においても出演者が納得した上で出演し、台本のある中で表現活動を行なっているにすぎません」と述べました。
続けて、「そのため、『女性を性的に虐待し、それを娯楽にしている』という発言は、適正AV業界に関しては事実と異なり、出演者、制作者、視聴者を傷つける中傷発言であり、非常に遺憾です」と気持ちを表明。その後に、「角田氏の発言は、適正AV業界で働くことを選択した女性の意思決定を踏みにじるものであり、厳重に抗議するものであります」と付け加えました。
Twitterでの抗議声明に対して大量の「いいね」が付く
sienteはノンフィクション作家の中山美里氏が代表を務める会社で、主にAV出演者が受ける職業差別の解消や、性感染症に関する啓蒙・性教育などに取り組んでいます。sienteはTwitterの公式アカウントでも、「弁護団の角田由紀子氏による看過できない発言がありましたので当協会HP上にて声明を発表いたしました」と発言しました。
このツイートには24日時点で、1.9万件以上の「いいね」と1.2万件以上の「リツイート」が付いています。また、セックスワーカーが安全・健康に働けることを目指して活動を続けるSWASHの代表の要友紀子氏や、複数のセクシー女優が引用リツイートで賛同するなど、ネット上でsienteの発言が話題を呼んでいます。
なお、sienteのツイートを見たユーザーたちは、「その通りだと思います。拡散します」「職業選択の自由を狭めるのではなく、広げる活動をすべき」「かなり憤りを感じています」など、同意する声を寄せています。
今後、sienteは弁護団の角田由紀子氏に対し、訴訟や記者会見など何かしらの措置を実行する可能性もあるため、双方の動向に注目したいところです。