6月21日は「国際ヨガデー」全日本ヨガ連盟が広めるヨガの本質

過去に海外で行われたヨガ

来たる6月21日に行われる「国際ヨガデー」。インドのナレンドラ・モディ首相の提案により、2014年に国連史上最速で採択されたヨガの記念日です。本記事では、「国際ヨガデー」とヨガの本質について、全日本ヨガ連盟の小林七絵さんにお話を伺いました。

ー「国際ヨガデー」の目的と、その規模について教えてください

ヨガがもたらしてくれる心身の健康への恩恵に感謝し、世界の平和を願ってのイベントになります。今年、インド政府は、「Prime Minister’s Awards for Yoga 2024」と題して、インド国内外の個人や団体から、どのようなヨガの活動をされているかを公募しています。

過去には、フランスのエッフェル塔の下や、ニューヨークのタイムズスクエア、カンボジアのアンコールワットなどでも開催されていました。築地本願寺での開催については主催者がインド大使館なのでお答えできませんが、東京スカイツリーは全日本ヨガ連盟がヨガの聖地として認定させていただいている場所で、毎年21日には国際ヨガの日の会場となっております(東京スカイツリー®が「国際ヨガの日」の6月21日に【ヨガの聖地TM】として認定

2023年2月に開催されたスカイツリーヨガ(1)

ーヨガの本質について、これからヨガを始める方にもわかりやすくご教授ください

我々の精神や心は常に変化していきます。私たちの精神や心は、物理的な世界の影響を受けています。そのため、日々「混乱や戸惑い」「苦しんだ状態」にあります。その苦しみや束縛にとらわれた心の状態から自分自身を解放し、そのうつろいゆく心を制御しながら、自分の心の動きを停止することで、落ち着いた状態に制御することができます。ヨガとは心を落ち着いた状態にすることで、混乱や戸惑いなどの苦しい状態から自分を解放するということになります。

ヨガを行ったことがない人や、ヨガを既に実践している人でも、「ヨガは身体が柔らかくなくてはいけないのではないか」「自分は身体が固いからヨガはできない」と誤解している人が多いのが事実です。しかし本来のヨガは「人が心身の悲しみや苦しみから自由になる」ことです。それはとても難しく、容易に至ることはできません。

身近なヨガのゴールとしては、

  • 人生のバランスを取り、コントロールし、よりよく生きる
  • 混乱と苦痛から自分を解放する
  • ヨガのポーズ(アーサナ)や呼吸法(プラーナーヤーマ)の実践からくる落ち着きの感覚を得る

などとなるかもしれません。

ーヨガを行うことで、具体的に生活の何が変わり、メンタル面でどのような効果が期待できますか

精神的な面では、うつ症状などがあり一般的な心身の健康面ではなかった方が、落ち込みなどが減少されてより生活をしやすくなるというケースがあります。もともと心身が健康で、仕事のパフォーマンスがさらに向上するなどプラスアルファとしての効果を得ている方々もいらっしゃると思います。

その他には、ヨガ哲学のヤマニヤマなどの考えをベースに、ヨガをきっかけとしてベジタリアンになる方や、拘りがなくなり人間関係がよくなる方、社会問題に取り組む方などもいらっしゃると思います。

ーヨガと他の運動、ストレッチとの違いはどこにありますか

ヨガの違いは、気づきとヨガ哲学があることだと思います。

・気づき(意識)
アーサナを行うと、体・呼吸・心を連携させて、外側の世界に向かっている自分の意識を内側の世界に向けさせる事ができます。このように意識を内側に向けることで、自分の心の傾向や、物事のいい悪い判断をしない想念を持ち、状況に反応できている事を自覚するようになります。ハタ・ヨガは、自分の反応を客観視し、状況に応じて適切な対応ができるようになるために効果的です。

・精神的な成長
ハタ・ヨガのゴールは、精神的な成長を促すことです。それを可能にするには、体の中に流れるエネルギーを自由にすることと、人間の中で対立する面のバランスを整える事が必要です。

アーサナが、古典的なヨガのようにゆっくりと着実に行われるときには、心の機能や集中力を発達させるように設計されていて、一般に副交感神経が刺激されます。したがって、そのようなアーサナを行った後には、新鮮で若返った感じがします。

筋肉の疲労は、適切な呼吸とリラクゼーションを通して和らげられます。

運動の場合には、アドレナリンが増え、心が刺激され、交感神経が刺激されます。そして、エネルギーが消費され、筋肉繊維の中に大量の乳酸を作り出し、一般に疲れることが多いです。

ストレッチにも呼吸などあり、体の面ではよいと思いますが、心の制御などの哲学的なものは含まれていないと思います。運動には運動の良さと目的があり、良し悪しの問題ではありませんが、違いは何かというと上記をあげられると思います。

ーコロナ後の現代に置いて、ヨガの果たす社会的役割はどこにあると思われますか

コロナという困難に立ち向かう為、人の中に日常に対する感謝や優しさ一体感があったと思います。今はまた個の利益が重視され、日々の生活にも忙しさが増しストレスから攻撃的になったり、落ち込んだりする方も増えているように感じます。

ヨガでまずは個人個人が自分を整えることでストレスを減少させ、日々の生活を大切にし、曇りのない心で社会を俯瞰して見て、また繋がっていく気持ちを育むツールになれるのではないかと思います。

流派によらずヨガを指導する方がもっているべきヨガの基本知識をインド政府が指針を示しているので、抑えておくべき知識の基準を、ヨガの指導をする方には啓蒙していく必要があると思います。

長いヨガの歴史の中で、各時代に生きていた人々の環境や悩みにより、ヨガ哲学は解釈をされたり、変容もしてきたと思います。そのハンドルのあそびのような余地があったから、これだけ長くそしてこれだけ多くの人にフィットできる不思議なものだと思います。

ヨガ哲学もヨガをどのように生かすかの方法論も、これからも進化していくのだと思います。そのためにも引き継ぐべきヨガの神髄・ヨガの叡智を学ぶ環境が整うとよいと思います。

ーこれからヨガを始められる方に対し、良いヨガ教室や講師の見分け方についてアドバイスをお願いします

色んなヨガがありますので、たくさんのヨガの経験をして、向き不向きや好き嫌いを即断せずに、ゆっくりと時間をかけて自分のヨガを見つけて、自分のライフステージやライフスタイル合わせてヨガを取り入れていってほしいと思います。

下記のようなポイントも参考にしてみてください。

  • ヨガが何かを知りたいという生徒さんがいた時に、その質問に答えられる
  • 知らない時にはわからないと言え、文献などを紹介できる
  • 自分が伝えたいことにこだわるのではなく相手が何を知りたいことを教えられる
  • ヨガをすることで逆に拘りが増えたり、とらわれる人もいるので、生徒をしばったり、そうならないようにする
  • 安定してそこにいてくれる講師
  • ポーズに関して無理をさせない、無理をしている人に気づける
  • 生徒さんの尊厳・存在を認めている
2023年2月に開催されたスカイツリーヨガ(2)

キュンメル齋藤めぐみフリーランスライター

投稿者プロフィール

AAM,エリクソンなどグローバル企業で、多岐に渡るブランド戦略立案等に携わった後、ストラスクライド経営大学院でMBA取得。
1999年よりドイツに移住。
現在はヨガスタジオを運営しながら、海外書き人クラブに所属し、フリーランスライターとして活動している。
第4回ライティングコンテストにて優秀賞を受賞。

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