裸眼3D技術のパイオニア・堀部太一が目指す「次世代の育成と社会貢献」

裸眼3D技術のパイオニア・堀部太一

3DメガネやVR機器も要らない新しい3D技術である「裸眼3D」を主軸に事業展開している堀部太一氏。現在幅広い業種に向けて裸眼3D事業やホログラム事業を展開。なぜ裸眼3Dの事業に取り組んだのか?そして堀部氏が仕事にかける熱意はどこからくるのか?堀部氏のルーツ、深層に隠れた真相にせまります。

 これからのビジネスである裸眼3Dとは

ー「裸眼3D」とは聞き馴染みのないワードですが、どのようなビジネスをされているのでしょうか?

メタバースが飛躍的に発展している現代では “映像技術”と多くのビジネスは切っても切り離せない存在です。現代の映像技術は「HD→2K→4K→8K」と高画質化が進んでいますが、これからの映像ニーズは画質ではなくリアリティが求められる時代になります。

私は2010年頃を節目として3D映像技術の革新の需要に気付き、メガネやVR無しで3D映像が観る事ができるという技術を根幹に仲間と共に研究開発を始めました。また同時に3D事業の最重要課題である3D映像コンテンツの欠如という問題に取り掛かるべく3D映像生成のAIアルゴリズム構築も着手しました。

この技術の完成により、大勢で、しかも誰でも裸眼で3Dを視聴できるため、屋内外のパブリックでの使用や多くのビジネスへの導入を見込んでおります。現状では、①広告 ②エンタメ・eスポーツ ③医療・教育のほか、公益事業を始めとするあらゆる業種へ普及すべく日々動いております。

自社の特性としてはハードウェアである「裸眼3Dディスプレイ」と、ソフトウェアである「3D映像変換AI技術」の双方を自社開発する事により、運用の柔軟性と開発の迅速性を持ち合わせています。

一方でメタバース・メガネ3D・MRには多くのアドバンテージがあり、裸眼3D技術が全てに勝るとは考えておりません。ただ3Dをビジネスに取り入れる際にひとつの選択肢として裸眼3D技術を取り入れ、日本のビジネスに貢献していければと思います。

誰でもセカンドチャンスがある社会に

ー堀部さんのビジネスにおいての目標は何ですか?

事業においての目標は、この裸眼3D技術とホログラム技術を更に磨き上げ、いつか日本の宇宙事業に関与できればと思っています。宇宙事業から始まる地球規模のデータネットワークは人類の生活を劇的に変容させると確信しております。日本の宇宙事業はJAXAや堀江貴文さんのインターステラ社等が牽引し、日本の夢を担われております。

また日本の技術の粋が世界の宇宙探索事業に活かされており、日々躍進を遂げております。これほど夢がある事はないと思っております。

一方で今すぐにやるべき事として、先ずはこの裸眼3D技術を認知してもらい普及していかなければと考えています。その為には、チームの拡充や技術応用のカスタマイズなどやることは満載ですが、フロンティア精神と仲間を大切に、ひとつひとつ地道にやっていきます。

先ずはゲーム等のeスポーツ事業が主になってきますが、その他にデジタルサイネージ等の広告事業などがあります。とにかく刺激的で面白いので、どんどん協業を進め皆様に認知してもらうよう前進あるのみです。

一方で医療領域も大事になってきます。特にアフターコロナという情勢も相まって、「非接触型ツール」である裸眼3Dの需要は高いです。日本の医療は世界的にも期待されているので、新たに3D医療として実用化し、海外に輸出していける様な新たな日本ブランドの事業として確立させていきます。

ー堀部さん個人の夢はありますか?

個人的な夢としては、人生で弱っている人の力になりたい。人間は知能を持っているだけに弱い生き物、誰もが浮き沈みの激しい人生を送っています。加えて社会はあってはならない不平等や理不尽が多く、そのギャップを埋められる心の拠り所のような存在になりたいです。ビジネスでも何でもそうなのですが、所詮“人”が主人公なわけですから、繋がりあって支え合うことに意義があると感じています。

私は19歳の時に脳出血で倒れたことがきっかけで、今までできていたことができなくなり、描いていた夢を諦めなければならない事が沢山ありました。私みたいな経験をしている人は少数派かもしれません。しかし、多様化の観点で言うと少数派こそが重要で、そういう立場の方の力になりたい。

特に私は社会的に弱い立場であろう子供を救っていきたい。親や周りに虐げられている子供たちを多少力ずくでも救助してあげられる団体として救済する。子供は親に属するのではなく、社会や地球に属するべきだと考えていますし、行動を起こす事によりそういう社会に変えていければと思います。

私の周りにも児童相談や社会救済などの事業で活躍されている方も多く、そういう先輩方の存在はとても励みになっています。そういう色々な方たちと繋がり、“誰でも努力しだいで幸せを追求できる環境をつくっていくこと”が目標です。成功するまでやり続ければ、それは失敗ではなくなる。

私はあまり流行や慣例に囚われる方ではありません。周りがどうであれ、自分の価値観をブレずに淡々と持ち続け、今やれている事を楽しみ続ける。たぶん幸せって突きつめれば豪華絢爛な贅沢ではなく、とてもシンプルな事に終始するのだと思います。お金で家や時計は手に入りますが、家庭や時間は買えませんから。

この価値観と精神だけは忘れずに、色々な方とこれまで以上に繋がりシェアし伝え続けたいです。

特に伝えていきたいことは、「誰にでも必ずセカンドチャンスはある」ということです。

若者へノウハウや情熱をシェアしたい

ー堀部さんを突き動かす原動力は何なのでしょうか?

性格上、皆がどうしているかよりも自分がどうしたいか、ゴール達成の為には何が欠けているか、というロジカル的な部分を重視します。いわゆる後方プランニングですね。よく「熱い人だね!」って言われることが多いのですが、私としてはこれまでいただいたご縁や助けへの恩返しとして、情熱と共に他の方へ繋いでいきたいです。

この情熱を若い方へシェアしたいと決断し、香港や中国で頑張っている若手起業家や既に事業で成功された諸先輩方を集め、香港と広東省で活動する商工会も立ち上げました。自分が海外での事業立ち上げで苦労したので、性別や事業類別を超え若い方と諸先輩方を繋げ人脈や経験をシェアし、ビジネスの土壌が整う事を目的とした社会貢献の一環として精力的に活動をしていました。

今は普通に生活していますが、若い時に負ったハンデキャップによってキツイ思いをしたからだと思います。きっと自分の価値や存在意義などを探しているのだと思います。もしかしたら一つの幸せの追求なのかも知れませんね(笑)。

私は海外の方とたくさん交流してきましたが、年齢も性別も問わず本当に良くしてもらってきました。よくニュースで国際的な衝突が取り上げられますが、それは単なる一面で人対人で衝突したことはほとんどありません。日本の国を尊重してくれる人も多く、日本人として生まれた事や日本のパスポートを持たせてもらっていることに感謝しています。だから今日本で事業展開している延長線上で、日本の経済成長や文化復興にも貢献したいと思っています。

時代や経済の流れ、新しい技術は当然新しい世代が主流になってきますので、若い方に多くを託すのは自然な流れだと思います。経験値を理由に自分より若い人を軽視するのではなく新しい世代に経験をシェアし応援する事が社会的にもベストだと思っています。その過程で私自身が学べることも多いので、特に若い方とは積極的に色々な分野で交流したいです。

(プロフィール)

堀部 太一(TAICHI HORIBE)

マジックディスプレイテクノロジジャパン株式会社(Magic Display Technology Japan Co., Ltd)

■経歴
1997年:19歳で病床に伏した事をきっかけに、人生を変える為に単身中国へ留学、言葉や文化を学ぶ。
1999年:中国中央政府、教育部(教育庁)直轄の国家重点大学、対外経済貿易大学/UIBEにて国際経済貿易学部を専攻。
2003年~:香港・中国・日本・アメリカにてビジネスに従事。

言語:日本語・英語・中国語(北京語・広東語)

■事業内容
3D眼鏡やVR無しで見る「裸眼3D技術」事業を推進。
① ハードウェア:裸眼3Dディスプレイ
② ソフトウェア:2D映像3D変換AIアルゴリズム
の両軸で・eスポーツ・広告・医療と教育、をメインに展開。

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