声優・俳優の大山のぶ代氏が死去 90歳 26年間にわたって『ドラえもん』を支える

日本を代表する声優で俳優の大山のぶ代氏が、9月29日に老衰のため90歳で亡くなったことが分かりました。所属事務所のアクターズ・セブンが発表し、すでに親族のみの密葬が済ませられたとのことです。 

大山のぶ代氏は、1979年から2005年までの26年間にわたり、アニメ『ドラえもん』でドラえもん役を務め、国民的人気キャラクターの声として親しまれてきました。 また、『サザエさん』の初代磯野カツオ役を担当するなど、アニメ黎明期を支えた功績は計り知れません。 

2001年に直腸がんが発覚したため、『ドラえもん』以外の仕事を一旦降板。2005年には『ドラえもん』からも勇退しましたが、2010年に『ダンガンロンパ』で謎のぬいぐるみ型学園長「モノクマ」役を演じ、5年ぶりに声優復帰を果たしました。 

声優業以外にも、女優、料理研究家、歌手、脚本家、エッセイストなど、マルチな才能を発揮。1964年にタレントの砂川啓介氏と結婚し、おしどり夫婦として知られていました。 

2015年に砂川啓介氏が大山のぶ代氏の認知症を公表し、2017年8月に砂川啓介氏が先立つ形となりました。晩年は認知症を患いながらも、食べることが大好きで、施設ではスタッフに笑顔を見せていたそうです。 

大山のぶ代氏の訃報に、多くのファンから哀悼の意が寄せられています。日本のアニメ史に残る偉大な声優の1人として、その功績と笑顔は長く記憶に留められることでしょう。

ネット上では、「大山のぶ代さんが亡くなったってニュースを見て、なんだか胸がギュッとなった」「私はドラえもんをイメージすると未だに大山のぶ代さんの声で脳内再生されます」「ドラえもんのイメージはやはりこの人」などの声が寄せられています。

大山のぶ代氏、著書『ぼく、ドラえもんでした。』で愛情を語る

大山のぶ代氏は、著書『ぼく、ドラえもんでした。』の中で、ドラえもんへの深い愛情を綴っていました。初めてドラえもん役の依頼を受けた日、大山のぶ代氏は夢中で原作漫画を読み、自身なりの演技を模索していたとのことです。

大山のぶ代氏の演技は、作者の藤子・F・不二雄氏からも高く評価されました。大山のぶ代氏はドラえもんを演じる間、他の声優の仕事を全て断るほどの情熱を注いでいたと語っています。

長年の親交があった声優の野沢雅子氏は、「ペコ(大山さんの愛称)とは初期からの声優仲間で長いお付き合いだったので、まだ実感が湧きません。寂しいけれど、あちらのみんなと集まってまた一緒にお芝居してね」と別れを惜しみました。

また、同時期に「しずかちゃん」役を務めた野村道子氏は、「26年間、ドラえもんで一緒だった大山さん。楽しい思い出が沢山あります」と振り返り、「心よりご冥福をお祈り申し上げます」と故人を偲びました。

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