米軍が中国の偵察気球を大西洋の米領海上で撃墜 「容認できない」と中国を批判

米国防総省は4日、中国の偵察気球を大西洋の米領海上で撃墜したと発表しました。米国は中国の気球を「偵察用」だと判断しており、国防総省は偵察気球の派遣は米国の「主権を侵害する容認できない」行為だと非難しています。

国防総省によると、米東岸のノースカロライナ、サウスカロライナ両州沿岸で空港3カ所を閉鎖し、周辺を航空禁止にして安全を確保した上で、戦闘機による撃墜作戦を実施したとされています。

ジョー・バイデン米大統領は、「撃墜に成功した。実施したパイロットたちをたたえたい」とコメントしました。アントニー・ブリンケン米国務長官は「容認できない無責任な」行為だと中国を非難し、来週に予定していた中国訪問を中止しています。

米国務長官の中国訪問が実現していれば、バイデン政権の閣僚としては初の訪中になるはずでした。その一方で中国外交部は「民間の無人飛行物体に対するアメリカの武力使用を非常に不快に思い、強く抗議する」と、声明を示しました。

撃墜した中国気球の残骸を米国海軍が回収

撃墜された気球の残骸は11キロにわたる洋上に散らばり、回収のため海軍艦2隻が現場海域に入りました。そのうち1隻は、残骸の回収用に大型クレーンを装備しています。

米軍幹部は、残骸の回収は「比較的簡単」「さほど時間はかからない」とコメント。そして米国海軍は7日に、回収した偵察用とみられる中国気球の画像を公開しました。

海軍の爆発物専門チームの一員が回収したとしており、実際に偵察機器だったのかどうか調べを進めています。米当局によれば、気球は全長60メートルで、重量は数百〜数千キロを超える可能性があるとのことです。

中国側は繰り返し、「飛行船は民間のもので、不可抗力によりアメリカ側に入った。これは完全に事故だ」と主張しています。米政府関係者は7日に、国防総省がロイド・オースティン国防長官と中国側との電話協議を設定しようとしましたが、中国に拒否されたとのことです。

今後、回収された中国気球の残骸から、さまざまな情報が明らかになっていくでしょう。現時点でも気球をめぐり、米中間の緊張は悪化していますが、今後さらに深刻化する恐れがあります。

ネット上では、「このままアメリカが黙って見過ごすわけない」「明らかなスパイ行為でしょ」「アメリカと中国が争いにならないか不安」などのコメントが見られました。今後も、米国と中国の関係性を追っていきます。

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