セブン&アイHD、創業家の伊藤家から買収提案 総額9兆円規模での全株式取得

セブン&アイ・ホールディングス(HD)が、創業家である伊藤家から法的拘束力のない買収提案を受けていることが明らかになりました。この提案は、同社がカナダのアリマンタシォン・クシュタールから受けた7兆円規模の買収提案に対抗するためのものと見られています。

伊藤家は、伊藤忠商事などからの出資と銀行融資を合わせ、総額9兆円規模での全株式の取得を計画しているようです。資金調達については、伊藤家と伊藤忠が3兆円程度を出資し、残りの6兆円を主要取引銀行である三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行から借り入れる案が検討されているとのことです。

セブン&アイHDの特別委員会は、この提案について慎重に検討を進めています。委員長のスティーブン・デイカス氏は、「価値最大化に向けて各関係者との対話を継続する」とコメントしました。

もしこの買収が実現すれば、売上高10兆円を超える企業の非公開化という前例のない大型案件となります。国内企業のMBOとしては過去最大規模となることから、市場からも大きな注目を集めています。

セブン&アイ株は、この報道を受けて大きく上昇。一時は前日比17%高の2,599円をつけ、2005年9月以来の日中高値を更新しました。今後の動向が注目される中、同社の企業価値向上に向けた取り組みが期待されています。

9兆円規模のMBO計画、市場関係者からは「悪い価格ではない」と評価

セブン&アイHDの創業家による9兆円規模のMBO(経営陣が参加する買収)計画について、市場関係者からさまざまな見方が示されています。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹氏は、この提案をコンビニ中心の経営を望む一部株主と経営陣の「認識ギャップに対する答えだろう」と分析しており、「市場価値以上かつ買収提案より高い価格とあって、悪い価格ではない」と9兆円という額を評価しました。

一方、岩井コスモ証券の菅原拓氏は、創業家による「助け船」の意味合いもあるのではないかと指摘。それに加え、ファミリーマートを傘下に持つ伊藤忠がMBOに参加することで、コンビニ業界の競争環境に影響を与える可能性も指摘しました。

関係者の情報によると、今回の買収提案では、イトーヨーカ堂などのスーパーマーケット事業を含むグループ全体を取得し、非公開化後に非中核事業を売却することで企業価値の向上を目指すとのことです。伊藤忠の参画により、事業間のシナジー効果も期待されています。

ただし、買収に必要な資金は9兆円と巨額であり、実現までのハードルは低くありません。また、アリマンタシォン・クシュタールが買収提案を撤回した場合、MBOが頓挫する可能性もあります。

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