三菱重工業株式会社は1月26日、政府の情報収集衛星を搭載したH2Aロケット46号機の打ち上げに成功しました。午前10時50分に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、ロケットは順調に飛行を続け、予定通り衛生を分離しました。
H2Aロケットの打ち上げは40機連続で成功しています。今回の打ち上げ成功で、成功率は97.8%、あらかじめ決められた時刻で発射が行われる「オンタイム率」は82.6%となりました。
H2Aロケット46号機に搭載されたのは、政府の情報収集衛星である「レーダー7号機」です。このレーダー7号機は、5号機や6号機に比べて能力が向上しており、北朝鮮のミサイル発射施設の監視など、安全保障のために役立てられます。また、正常に機能すれば日本周辺地域の監視能力も高まるため、災害時の状況把握としても活用されます。
打ち上げの同日に行われた記者会見で、三菱重工の阿部直彦常務執行役員防衛・宇宙セグメント長は「2月には『H3』初号機の打ち上げが予定される。最大限の努力をしたい」と述べました。
現時点でH2Aロケットの打ち上げは、50号機で終了する計画となっています。今後の47号機、48号機の打ち上げにも期待したいところです。
H2AのライバルとなるスペースXの「ファルコン9」
イーロン・マスク氏がCEOを務めるスペースXは、週に1度という高い頻度でロケットを打ち上げており、機体の一部を再利用するなどの低コスト化を図っています。
また、再利用可能ブースターを備えた最新型ロケット「ファルコン9」は、民間企業として世界で初めて、地球周回軌道の飛行と帰還カプセルの回収に成功するといった偉業を成し遂げています。
スペースXが手掛ける「ファルコン9」は、H2Aロケットにとってライバル的存在だと言えるでしょう。ライバル的存在は「ファルコン9」以外にも、米国の「デルタ4」や「アトラス5」、欧州の「アリアン5」などが挙げられます。
そのほか、ホリエモンこと堀江貴文氏が創業した宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ」も、ロケットの打ち上げを積極的に行っています。1月24日の事業戦略発表会では、次世代大型ロケット「DECA(デカ)」を2030年代に打ち上げると発表しました。
さらに、超小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO(ゼロ)」も開発中です。ロケット事業を手掛ける各社の動向から目が離せません。