17日に投開票された兵庫県知事選では、斎藤元彦氏がインターネットの後押しを受け、見事に知事の座に返り咲きました。その背景には、SNSを通じた斎藤元彦氏への圧倒的な支持の広がりがありました。
ネットコミュニケーション研究所の中村佳美代表によると、斎藤元彦氏のSNSフォロワー数は対立候補の稲村和美氏の10倍以上に上り、特にXでは後援会などの「公式応援」アカウントによる投稿の拡散が大きな役割を果たしたとのことです。
さらに、YouTubeでは斎藤元彦氏本人のチャンネルに加え、応援を表明した立花孝志氏の動画が1,499万回も再生され、その切り抜き動画も1,299万回再生されるなど、陣営外からの「援護射撃」が選挙戦を大きく盛り上げました。
中村佳美代表は、今回の選挙でのYouTubeの影響力の大きさを指摘し、これまでにない新しい選挙戦の形が浮かび上がったと分析しています。斎藤元彦氏の当選は、SNSを効果的に活用した選挙戦略の勝利とも言えるでしょう。
インターネット番組、ゲーム配信チャンネルなど多方面からの支援
インターネット番組の「虎ノ門ニュース」では554万回、高橋洋一氏も201万回の再生数を記録するなど、多方面からの支援が見られました。
興味深いのは、ゲーム配信やガーデニングを主に扱っていたチャンネルが、斎藤元彦氏に関する投稿を行ったことです。このような広範囲にわたる支援が、選挙結果に大きな影響を与えたと中村佳美代表は分析しています。
また、立花孝志氏が「デマを流すマスメディアvs真実を伝えるネット」という対立構図を積極的に訴えたことで、ネットへの信頼性が高まった可能性があるとも指摘しています。SNSを通じて情報を得た人々が実際の現場に足を運ぶなど、投票行動にも変化が見られたようです。
中村佳美代表は、今後の選挙では主張の根拠を示し、「ファクトチェック」を行うことがより重要になると述べています。
SNSやYouTubeによる「勝手連」の影響力は日に日に大きくなっており、候補者や陣営だけでなく、有権者1人ひとりがメディアリテラシーを高めることが求められています。(勝手連=ある人物や運動を勝手に応援する集団・組織のこと)