「ルフィ」「キム」と名乗る男らから、フィリピンを拠点に広域強盗を指示されていたとされる事件で、東京地裁立川支部は12月16日、実行役を務めた加藤臣吾被告(26)に対し、求刑通り無期懲役の判決を言い渡しました。
裁判で明らかになったところによると、加藤臣吾被告は2022年12月に広島市で発生した強盗事件や、2023年1月の東京都足立区での窃盗未遂事件にも関与。さらに同年1月には、狛江市の住宅に侵入し、女性(当時90歳)をバールで殴打するなどして死亡させた上、高級腕時計を含む4点(約59万円相当)を奪っています。
一方、弁護側は「(加藤臣吾被告は)指示役に脅されて参加した」と主張。しかし判決は、「指示役を恐れた可能性は否定できないが、利益のために主体的、積極的に行動した」として、この主張を退けました。同事件で判決が下されたのは、加藤臣吾被告で3人目となります。
ネット上では、「なぜ死刑じゃないんだ?」「死刑より無期懲役のほうがきついと思う」「日本の治安維持のためにもずっと隔離しておいて下さい」などの意見が寄せられています。
「ルフィ事件」とは?実行犯は加藤臣吾被告を含めて4人
2023年1月、東京都狛江市の住宅で90歳の女性が両手を縛られ、顔から出血した状態で死亡しているのが発見されました。この事件は「ルフィ事件」として知られ、フィリピンにいる指示役の指示を受けた実行犯が関与していたことが明らかになっています。
指示役は「ルフィ」改め「ミツハシ」、「キム」、「シュガー」の3名で、実行犯は永田陸人、野村広之、中西一晟、加藤臣吾の4名でした。中西一晟被告は石川県出身で、東京の大学に進学し中野区で一人暮らしをしていました。
中西一晟被告は共犯の加藤臣吾被告とネット上のゲームで知り合い、2022年8月から加藤臣吾被告を自宅に居候させていました。しかし、加藤臣吾被告は家賃を払わないどころか、生活費まで使い込んでいたとのことです。
そんな中、2022年12月に加藤臣吾被告から闇バイトの指示役「シュガー」を紹介されたことをきっかけに、中西一晟被告も犯行に加担することになりました。裁判では、犯行グループのメンバーの役割分担や、秘匿性の高いアプリ「テレグラム」を使った生々しいやり取りが明らかになりました。