
1月28日、「京都アニメーション」放火事件の青葉真司被告(46)が控訴を取り下げ、死刑が確定しました。青葉真司被告は2019年7月、同社のスタジオに放火し、36人もの尊い命を奪った罪に問われていました。
1審の京都地裁は2024年1月、青葉被告に死刑判決を言い渡しましたが、被告側は判決を不服として控訴。しかし、その後被告本人の意思で控訴が取り下げられたことが明らかになりました。
事件で亡くなった男性アニメーターの父親は、青葉真司被告が控訴を取り下げたのは、36人もの命を奪ったことへの責任と謝罪の気持ちからではないかと受け止めているとのことです。その上で、被告1人の命では償えない尊い命が失われたことを強調し、二度と同じような事件が起きないよう社会全体で対策を講じる必要性を訴えました。
また、女性アニメーターの母親は、1審の死刑判決を踏まえ、控訴取り下げの理由に関心を示しつつも、36人が犠牲になった事件の重大性から死刑はやむを得ないとの見解を示しています。
ネット上では、「36人もの命を奪い後遺症に悩まされる多数の負傷者を出した戦後最大とも言える事件の犯人ですから極刑は至極当然」「本当に失ったものが多過ぎた事件だった」「いずれにせよ死刑は動かないから、無駄な時間を費やさなくてよかった」などの声が寄せられています。
京都アニメーションの社員数が180人台まで回復 経営面でも安定
京都アニメーションは、2019年7月の放火事件で多くの優秀なスタッフを失いながらも、アニメ制作を続けています。2024年時点で事件から5年が経過し、社員数は事件前を上回る180人台まで回復しました。経営面でも安定した状態を維持しています。
そんな中、人気作品の続編のテレビ放送が決定したり、ファン感謝イベントを開催したりなど、ファンの期待を上回るスピード感で京都アニメーションは復活を遂げています。
一方で、テレビアニメの制作ハードルは高く、完全な復活にはまだ時間がかかるとの見方もあります。しかし、強固な制作体制と経営基盤を築き上げてきた京都アニメーションなら、必ずや再建を成し遂げてくれるでしょう。
京都アニメーションの社員たちは、亡くなったスタッフの志を胸に「目を真っ赤にして机に向かっていた」と八田英明社長は語ります。悲しみを乗り越え、世界中のファンを喜ばせるアニメーション作品を作り続けるその姿勢は、多くの人々に勇気と感動を与えています。