ニューヨークの外為市場では、円が対ドルで急伸し、一時141円台に到達しました。これは約3ヶ月ぶりの高値で、日銀の金融政策修正に対する市場の観測が影響しています。この円の上昇率は約1年ぶりの高さとなり、8日に発表される米雇用統計にも市場の注目が集まっています。
ドル/円は一時3.8%の急落を見せ、取引終盤では2.62%安の143.465円で推移しました。日銀の植田和男総裁は、マイナス金利解除について「その時の経済・金融情勢次第」と参議院財政金融委員会で述べました。コーペイのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏はこの発言が日銀のプラス圏金利回帰観測に「ロケット燃料を注いだ」と評しています。
一方、ユーロ/ドルは0.32%高の1.07980ドルを記録。インフレ鈍化や成長鈍化などを背景に、ユーロ圏金利見通しの大幅修正の影響を受けています。しかし、米雇用統計への警戒感から市場のボラティリティは限定的でした。
ユーロは対スイスフランで0.3%高となり、一時は2015年以来の安値に達する場面も見られました。来週、欧州中央銀行(ECB)は年内最後の理事会を開催します。ドル指数は0.586%の下落を記録し、103.54を示しました。米連邦準備理事会(FRB)の3月までの利下げ実施可能性は、約60%と見られています。
ネット上では、「まだまだ140円前半では物価は下がらないと思うが、これをきっかけに円高になって物の値段が下がる方向に向かえばいいのだが」「1ドル110円ぐらいが適正、まだまだ超円安だと思う」「日銀は、早く、マイナス金利政策を解除すべき」などの意見が寄せられています。
NYMEXでは原油先物相場が6日連続で下落
ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)では、原油先物相場が6日連続で下落しました。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の1月物は前日比0.04ドル(0.1%)安のバレル69.34ドルで取引を終え、中国の原油需要減少の観測が売りを優勢にさせました。
一方、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は、2月物が前日比1.5ドル(0.1%)安の1トロイオンス2046.4ドルで取引を終了しました。これは、11月の米雇用統計の発表を控え、市場の買いが見送られた結果です。
外為市場では円相場が一時1ドル=141円台後半を記録し、荒い値動きとなりました。日銀総裁の発言や、国際通貨基金(IMF)の報道官のコメントが市場に影響を与え、円高・ドル安が進みました。