OpenAI、400億ドルの巨額資金調達でAI開発を加速 ソフトバンクグループなど

ChatGPTを開発する米OpenAIは3月31日、民間企業による資金調達としては過去最大規模となる400億ドル(約6兆円)の調達を完了したと発表しました。この資金調達により、同社の企業評価額は3,000億ドルに達しています。
今回の資金調達はソフトバンクグループ(SBG)が主導し、Microsoft、Coatue、Altimeterなど創業初期からの支援企業も参加しました。SBGは最大400億ドルの追加出資に合意し、そのうち100億ドルは外部からの調達を予定しています。
OpenAIは公式発表で、毎週5億人が利用するChatGPTのさらなる機能強化やコンピューティングインフラの拡張、AI研究の飛躍的発展に資金を活用するとしています。
同社はSBGについて「変革的技術の拡大方法を理解している稀有な企業」と評価し、「全人類に利益をもたらすAGI(汎用人工知能)」の開発継続に意欲を示しました。
SBGはこの出資を年内に完了させる方針で、既に昨年から傘下ファンドを通じて22億ドルの投資を実施。今年に入ってからもAIインフラ整備や国内での企業向けAI開発会社設立など、AI事業を成長戦略の中核に据えた取り組みを加速させています。
ChatGPTの「ジブリ風」画像生成で見えたAI業界の新たな展開
OpenAIが3月25日にリリースした「GPT-4o」の画像生成機能がインターネットで大きな話題を呼んでいます。特に「ジブリ風」画像生成のクオリティが高く評価され、ユーザー数が記録的に急増し、同社の対応が追いつかない状況が発生しています。
この急成長の最大の受益者はMicrosoftとされています。ジェフリーズのアナリスト、ブレント・ティル氏らはChatGPTユーザー増加がコンピューティング需要を高め、投資先であり主要クラウドプロバイダーでもあるMicrosoftに大きな恩恵をもたらすと分析しています。
サティア・ナデラCEOは先日、OpenAIとの提携を補完する独自の生成AI開発の可能性にも言及。急増するユーザーベースは有料版「ChatGPT Plus」の収益拡大にも直結すると予測しています。
市場評価も急上昇しており、企業価値は2024年10月の1,570億ドルから現在は3,000億ドルへと倍増しています。この「ジブリ風」画像生成の爆発的人気は、AI技術の進化とエンターテイメント性が融合した新局面を示す現象として注目されています。