北海道、千葉県、京都府、山口県の4道府県で、運転免許の更新講習をオンラインで可能にする新たな試みが注目を集めています。以前はゴールド免許を持つ優良運転者のみがオンライン講習を受けられましたが、現在は一般運転者も利用できるようになりました。
この新システムでは、受講者が自宅のスマートフォンやパソコンから専用サイトにアクセスし、マイナンバーカードによる本人認証を経て、講習動画を視聴します。動画を視聴する過程では、定期的に確認問題が出題され、受講者の顔画像を3回撮影するなど、講習の確認が実施されます。
オンライン化は運転者講習の部分だけであり、写真撮影や視力検査、免許証の交付などは引き続き警察施設で行う必要があります。そのため、オンライン化が実施された当初は「オンライン化の意味がない」「メリットを感じない」などの声があがっていました。
しかし、オンライン化に関する意見をまとめた「更新時講習(優良運転者講習)のオンライン化に係る調査研究報告書」では、オンライン講習が対面講習よりも便利だったと感じる受講者が圧倒的で、その割合は96.8%にまで上ります。
また、同報告書において将来的にもこの方式を利用し続けたいと回答した人は、全体の99.5%(11万7,368人)に達していることが分かりました。多くの受講者からは、自分の都合に合わせて学習できる点や、家庭の事情により外出が難しい時期に非常に助かったとの声が寄せられています。
一般運転者は講習動画が40分間 追加で運転適性診断も必要
10月2日からオンライン講習を受けることができる範囲が一般運転者まで拡大され、ゴールド免許を持たない人でも条件を満たせば受講可能となりました。ただし、優良運転者に比べて一般運転者は講習動画が10分長い40分間であり、追加で運転適性診断を受ける必要があります。さらに顔画像の撮影も行われるため、全体の所要時間が長くなります。
オンライン講習の対象が拡大されたことに対し、ネット上では「北海道みたいに試験場が遠隔地だったり、警察署の統廃合で人のいない庁舎になって対応できる時間が限られたりする場合はすごく便利」「前回の更新はオンラインで講習を受講しましたが、快適でしたよ」「便利になるのは良いのですが、その分高齢者に関しては更に幅広い技能検査を行なって欲しいですね」などの意見が寄せられています。
この動向が全国的に広がりを見せることで、運転免許制度に新たな変革が起こるかもしれません。今後の動向にも注目したいところです。