
国内企業による社債発行が好調な推移をみせています。2025年4月から9月にかけて国内企業が条件決定した円建て社債の総額は9兆4000億円強となり、上半期としては過去最大を記録しました。この好調な社債発行を牽引しているのは、金利上昇環境を背景に運用利回りを追求する個人投資家向けの社債、いわゆる「リテール債」です。
背景にあるのは、日本銀行の金融政策正常化です。日銀は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、同年7月には政策金利の引き上げを実施しました。その結果、金融政策の正常化局面で金利の先高感が続いています。低金利のうちに資金調達を行いたいとする企業と、「金利のある時代」において安定した利息収入を求める個人投資家の利害が合致した形となっています。
特に注目されるのは、個人投資家向け社債の発行ペースです。ブルームバーグの集計データによると、2025年度は8月29日時点で約1兆5000億円のリテール債が起債されました。過去最高だった2024年度の約2兆4000億円を超える勢いで推移しています。
イオンが個人向け社債を発行したほか、京王電鉄が31年ぶりに発行するなど、これまで個人投資家への直接的な資金調達を行っていなかった企業の市場参入も目立っています。
発行企業では、調達年限の長期化も進展。2024年の社債発行では、償還期間が6年から10年、11年超の中長期債の発行が増加しました。これは、日銀の7月追加利上げまでの動きを反映したもので、2023年と比較すると総じて調達年限が長期化しています。「金利のある世界」の突入に向けて、企業が中長期での資金調達に取り組んでいた可能性を示しているのです。
調達金利についても明確な上昇トレンドがみられます。利上げや調達年限の長期化を背景に、企業の社債調達金利は2023年対比で顕著に上昇。それでも歴史的にみれば依然として低い水準にあり、多くの企業の社債発行を促進する要因となっています。
高利回り社債に集まる個人マネー 3.34%の社債も登場
個人投資家向け社債市場では、魅力的な利回りを提示する銘柄が続々と登場しています。なかでも、ソフトバンクグループが発行した第65回無担保社債は、年利3.34%という高水準となりました。
この他にも、光通信が年利2.6%、三菱UFJフィナンシャル・グループが劣後債で年利2.051%を提示。預金金利を大幅に上回る利回りの社債が、市場に相次いで投入されています。発行体の顔ぶれも通信・IT系企業から製造業、金融業まで多様化しており、個人投資家にとって選択肢が広がっています。
個人投資家が社債に注目する背景にあるのは、株式市場の変動への懸念です。日経平均株価は8月に過去最高値を更新しましたが、春先には急落に見舞われる局面もありました。こうしたなか、安定した利息が得られる社債の魅力が改めて注目され、個人マネーの流入が社債発行増加の重要な要因となっています。
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