
アメリカのドナルド・トランプ大統領が27日夕、羽田空港に到着し、約6年ぶりの来日を果たしました。第2次政権発足後初めての訪日となるトランプ大統領は、28日に高市早苗首相と初の対面による日米首脳会談を行います。この会談は、高市首相が就任して間もない時期に行われることになり、新政権の外交手腕が問われる重要な機会となっています。
トランプ大統領は27日午後5時ごろ、大統領専用機「エアフォースワン」で羽田空港に到着しました。到着後は大統領専用ヘリ「マリーンワン」で都内の米軍施設に移動し、その後専用車両「ビースト」で皇居に向かい、天皇陛下と会見しました。また、高市首相は25日、訪問先のマレーシアでトランプ大統領と初めて電話会談を行い、印象について「とても快活で楽しい方だと思った」と述べていました。
28日午前に予定されている日米首脳会談では、日米同盟の強化が最大のテーマとなります。高市首相は、故安倍晋三元首相が掲げた「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想を共有し、日米同盟の抑止力と対処力を高める方針を伝える構えです。また、会談後には両首脳が大統領専用ヘリで神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地に移動し、原子力空母ジョージ・ワシントンを共に視察する予定です。外国の首相が「マリーンワン」に同乗して移動するのは異例で、強固な日米同盟を国内外にアピールする狙いがあります。
防衛費増額と経済安保が会談の主要議題に
会談の主要議題として、日本の防衛費増額が焦点となります。高市首相は24日の所信表明演説で、防衛費を国内総生産(GDP)比2%へ引き上げる目標を2年前倒しして今年度中に実現することを表明しています。国家安全保障戦略など安全保障関連3文書を来年中に改定する目標も伝える見通しです。これはトランプ政権が同盟国に対して防衛費の増額を強く要求していることに応える動きとなっています。
さらに、日米関税合意を巡り、関税引き下げの代わりに結んだ総額5500億ドル(約84兆円)の対米投資の履行も重要な議題となります。日本側は半導体、医薬品、重要鉱物、造船、エネルギー、人工知能(AI)などの分野に投資する計画を進めています。高市首相にとっては、これまでの合意内容を確実に履行することで、トランプ大統領との信頼関係を構築することが重要な課題となります。
会談では、レアアース(希土類)など重要鉱物の安定確保に向けた協力に関する覚書の締結も予定されています。中国がレアアースの輸出規制強化を発表する中、経済安全保障の課題で日米が歩調を合わせる狙いがあります。また、AI・高速通信規格・医薬品など7つの技術分野で閣僚級の協力覚書を結ぶ方向で調整が進められており、28日には関係大臣が署名する予定です。
造船分野でも、日米両政府は協力覚書を結ぶ方向で調整しています。両国で作業部会を設置し、造船能力の増強を図ることで、船舶の建造量で世界トップの中国に対抗する狙いがあります。さらに、ロシア産LNGの導入に関しても、日本が米国からの要求に応じられるかどうかが注視されています。
高市首相は25日の電話会談で、トランプ大統領に対し「日本はアメリカの対中戦略やインド太平洋戦略に重要な国だ」「『自由で開かれたインド太平洋』を一緒に進めていこう」などと呼びかけました。また、拉致問題での協力も要請しており、北朝鮮への対応も会談の議題となる見通しです。
トランプ大統領も、高市首相について「安倍氏と良い関係にあった。良い兆候だ」と述べ、会談への期待感を示しました。トランプ大統領のアジア歴訪の狙いとしては、中国への対抗とレアアースなど経済安全保障分野での連携強化があり、同盟国日本との関係強化が極めて重要な課題となっています。
トランプ大統領は28日夜には都内で財界人との夕食会に出席し、29日に日本を離れて韓国に向かい、そこで中国の習近平国家主席との首脳会談に臨む予定です。この日米韓での外交活動を通じて、米国主導のアジア太平洋戦略がどのように展開されるかが注目されます。








-280x210.png)



-300x169.jpg)