
6月17日、ホンダが北海道大樹町の研究施設において画期的な宇宙開発実験を実施し、再利用可能な小型ロケットによる垂直離着陸試験に成功しました。
この成果は、日本の民間企業として初めて300メートル級の高度での再使用型ロケット運用を実現したものであり、国内宇宙産業における重要な転換点となる可能性を秘めています。
実証に使用された試験機は、長さ6.3メートル、幅85センチメートルの仕様で、燃料を除く本体重量は900キログラムという設計となっています。特筆すべきは着陸精度の高さで、予定地点からわずか37センチメートルの誤差という驚異的な制御能力を示しました。
この技術開発において、ホンダは自社の自動車分野で蓄積してきた自動運転技術のノウハウを航空宇宙分野に応用しています。
2019年から本格化させた宇宙開発プロジェクトは、2029年までに準軌道領域への到達を目標として設定しており、今回の成功はその重要なマイルストーンとなりました。
同社は機体の反復使用により運用コストの大幅削減を図り、将来的な商業ロケット市場への参入を視野に入れています。
ネット上では、「やるじゃんホンダ、ロボット事業も復活させてほしいな」「ホンダみたいな会社は日本に中々ないし、精度よく成功させるってのがスゴイ」「思ったよりもデカくて安心しました」などの意見が寄せられています。
ホンダのロケット開発、若手技術者の「夢」から始まる
ホンダが宇宙開発分野に参入したきっかけは、同社の若手技術者が抱いた純粋な「夢」にあったといいます。製品開発を通じて蓄積してきた燃焼技術や制御技術といったコア技術を活用し、独自のロケットを製造したいという情熱が研究の出発点となっています。
2021年に公表された宇宙領域への参入方針では、時間・場所・能力の制約から人々を解放し、生活を豊かにするという理念のもと、宇宙を新たなチャレンジの場として位置付けました。
同社は2024年から北海道大樹町において本格的な実証実験を開始しました。エンジン燃焼試験やホバリング実験を段階的に実施し、今回の成功に至るまで、地域住民や関係当局との密接な協力体制を構築しています。
現代社会では膨大なデータ消費に伴い人工衛星の活用拡大が期待されており、ホンダはこの需要増加を見据えて再使用型ロケットの開発に着手したとのことです。
自動運転技術の応用により持続可能な輸送手段の実現を目指し、2029年の準軌道到達を技術目標として設定しています。