
オーストラリアは12月10日、国家レベルで世界初となる16歳未満の子どものSNS利用を禁止する法律を施行します。この法律は2024年11月に議会で可決され、Instagram、TikTok、X、Facebook、Snapchatなど主要10サービスが禁止対象です。子どもの接続を阻む措置を怠った企業には最大で4950万豪ドル(約50億円)の罰金が科せられます。
法案可決の背景には、SNS上のいじめや有害コンテンツが原因で子どもを失った親たちの訴えがありました。2年前に15歳の娘リブさんを亡くしたロブ・エバンスさんは、娘が学校でのいじめをきっかけにSNS上の体重や体形に関する情報のとりこになり、2023年4月に自ら命を絶ったと語ります。「この節目が多くの家族を同じ悲しみから救うと信じている」とロブさんは規制強化を訴えてきました。
ウェルズ通信相は12月3日、「10代の少女が自撮り写真を投稿してから削除した場合、SNSは美容製品やダイエット製品を売る絶好のタイミングとみなす」と述べ、「弱みに付け込む行為を止めなければならない」と強調しました。世論調査では77%の国民が法規制を支持しており、与野党双方が支持したことで社会を分断する政治問題にならずに法律が成立しました。
米Metaは11月20日、Instagram、Threads、Facebookについて、12月10日以降に16歳未満の利用者のアクセスを全面禁止すると発表しました。13歳から15歳のアカウント所有者にはアカウント閉鎖の通知が送られています。
孤立するマイノリティと反発する子どもたち
一方で、社会的に孤立しやすい少数派の子どもたちは「つながり」を失うことへの危機感を抱いています。16歳のマギーさんはトランスジェンダーで、周囲に同じ境遇の子どもがいない環境にいます。「性自認を理由にSNSいじめを受けたこともある。でも同じ境遇の仲間に出会えたのもSNSだった」とマギーさんは語ります。
女子学生ゾーイさん(14)は、禁止措置は「子どものデジタル排除」だと主張し、12月初旬までに5万人超の署名を集め年齢引き下げを求める嘆願書を提出しようとしています。親が管理するTikTokでメーキャップ動画を投稿して5万人弱のフォロワーを集め、コスメ企業から連絡を受けるようになりました。「これはキャリアだ。積み上げたものを消されるのは納得できない」と憤ります。
ゾーイさんのもとに届く嫌がらせはすべて「大人から」だといいます。「子どもを規制するのではなく、有害コンテンツを削除すべきだ」とゾーイさんは語ります。この規制は国際的な波及効果をもたらしており、インドネシア、デンマーク、ブラジル、マレーシアなど複数国が対応を計画しています。










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