
2026年1月20日の国内債券市場で、償還までの期間が長い超長期債の利回りが急上昇(債券価格は急落)し、過去最高水準を更新しました。新発30年物国債は一時前日比0.265%高い3.875%、40年物国債は0.275%高い4.215%といずれも過去最高を記録しました。日本国債の利回りが4%台に乗せたのは1995年以来となります。
この急激な金利上昇の背景には、高市早苗首相が19日夕に衆院解散を正式に表明し、食品の消費税を2年間ゼロにする方針を打ち出したことがあります。しかし財源は明言しておらず、財政規律が緩んでいるとの懸念から、20日の債券市場で売りが強まりました。
日本国債利回りの一日の上昇幅が0.2%を超えるのは極めて異例の事態です。償還までの期間が長い超長期債は、国の返済リスクを反映しやすいという特徴があります。衆院選に向けて与野党が消費税減税など財政拡張的な政策を打ち出していることに対し、市場の警戒感が非常に増しています。
20日に実施された20年利付国債入札でも、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が3.19倍と過去12カ月平均の3.34倍を下回り、前回の4.1倍からも大きく低下しました。明治安田アセットマネジメントの大﨑秀一シニア・ポートフォリオ・マネジャーは「弱めの結果だった。消費税減税の話が出て債券は買いづらさが強かった」と指摘しています。
市場関係者が警告、「トラス・ショック」の様相も
明治安田アセットマネジメントの大崎秀一シニア・ポートフォリオ・マネジャーは「超長期債は『トラス・ショック』の様相だ。押し目買いはあるものの本格的には買いに入れない」と話しています。2022年の英債券市場ではトラス英首相(当時)の財政政策に対する懸念から英国債利回りが急上昇し、トラス政権は退陣に追い込まれました。
1980年代から債券市場を知る東海東京証券の佐野一彦チーフ債券ストラテジストは「久しぶりに債券市場が間違った政策に対して警告を出している。消費税減税が2年で済むかも市場は懐疑的にみており、『高市ショック』と言える」とコメントしています。
日本国債売りは外国為替市場の円売りにも波及し、20日の東京外国為替市場では一時1ドル=158円台半ばを付ける場面がありました。午後5時現在は前日比30銭円安ドル高の1ドル=158円36〜38銭で取引されました。衆院選に向けて与野党が消費税減税に言及したことなどから、財政悪化懸念が高まり、円が売られやすくなっています。
片山さつき財務相は20日、スイスで開催されたダボス会議でブルームバーグのインタビューに応じ、「市場を安定させるためのことはやってきているし、これからもやることは必ず約束できる」と述べ、市場の鎮静化を促しました。また「市場の皆さまには落ち着いて頂きたいと思う」と呼び掛けています。












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