アンドルー元英王子を逮捕・一時釈放 エプスタイン氏への機密漏洩疑惑で捜査続く

イギリス国旗

イギリス警察がチャールズ国王の弟、アンドルー元英王子(66)を公務上の不正行為の疑いで逮捕し、機密情報漏洩疑惑などを巡る本格捜査に乗り出しました。 英王室の直系にあたる人物が刑事手続きの対象として拘束されるのは極めて異例で、国内外に大きな衝撃を与えています。 英メディアなどによりますと、元王子は19日朝にイングランド東部ノーフォーク州の自宅で身柄を拘束され、その後12時間前後にわたって事情聴取を受けたのち、同日夜に釈放されました。 逮捕は解除されたものの、関係先の家宅捜索は続いており、捜査当局は公務を通じて知り得た機密の扱いに焦点を当てて捜査を継続しています。

疑惑の中心とされているのは、少女らへの性的人身売買罪で起訴され、のちに自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏に対し、アフガニスタンにおける金やウランなど鉱物資源への投資機会に関する英政府の通商関連文書の内容を漏らしたとされる行為です。 元王子は2001〜2011年ごろ、王室の公務として貿易特使を務めており、その過程で得た情報として、アフガニスタンに高い価値を持つ鉱物資源が相当量存在する可能性や、低コストで採掘できるとみられる点などを伝えた疑いが持たれています。 また、シンガポールや香港を貿易特使として訪問した際の公式報告内容をエプスタイン氏に提供したとされる点についても、英警察が不正な情報提供に当たるかどうかを慎重に調べています。

一方、アンドルー元王子を巡っては、エプスタイン氏から紹介された当時17歳の少女に性的虐待を加えた疑惑がかねてより指摘されており、この問題で2025年10〜11月ごろに「王子」の称号を剥奪されるなど、王室内での立場を大きく失っていました。 こうした一連の疑惑が積み重なるなか、今回の機密漏洩疑惑が刑事事件として表面化したことで、王室そのものの説明責任やガバナンスを問う声も高まっています。

王室と世論に広がる波紋 捜査の行方と今後の焦点

アンドルー元王子の逮捕を受け、チャールズ国王は「報道に深い憂慮を抱いている」との声明を公表し、王室として捜査当局に「全面的かつ真摯に協力する」との姿勢を示しました。 国王はあわせて「法は適切な手続きに従って公平に執行されなければならない」と述べ、身内が捜査対象となる異例の状況のなかで、司法手続きの独立性と公正さを強調しています。

英警察は19日夜の時点で、アンドルー元王子を釈放したものの、公務上の不正行為や機密情報漏洩の容疑については「捜査を継続する」と説明しており、今後、証拠の精査や関係者の追加聴取を進める方針です。 エプスタイン事件を巡っては、米司法省が関連資料の一部を追加公開したことをきっかけに、王室と元王子の関係に関する新たな証拠や証言が注目を集めており、今回の立件の背景にもそうした動きがあるとみられています。

イギリス国内では、王室メンバーであっても法の下での平等な扱いを求める声が広がる一方で、王室の権威や制度への影響を懸念する見方も根強くあります。 SNSなどでは「どのような立場の人物でも、違法行為があれば説明責任を果たすべきだ」とする意見や、「王室とエプスタイン事件の関係を徹底的に解明すべきだ」といった投稿が相次いでいます。

今後の焦点は、機密情報漏洩疑惑がどこまで立証されるのか、そして未解決のままとなっている未成年者への性的虐待疑惑とあわせて、検察当局が起訴に踏み切るかどうかです。 仮に起訴が現実味を帯びれば、王室の説明責任に加え、英国の外交や対テロ戦略と関わる通商・安全保障情報の管理体制に対しても、国会などを舞台に厳しい検証が求められる可能性があります。

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