ネットフリックス、10〜12月期も増収増益 会員3億2500万人で成長路線続く

ネットフリックス、10〜12月期も増収増益 会員3億2500万人で成長路線続く

米動画配信大手ネットフリックスは20日、2025年10〜12月期決算を発表しました。売上高は前年同期比約18%増の約120億ドル(約1兆9千億円)と市場予想を上回り、純利益も約24億ドルと約3割増加しました。これで11四半期連続の増収増益となり、広告付きプランやパスワード共有対策を進める収益改革が着実に成果を上げている形です。

世界の有料会員数は、前年同期の約3億人から3億2500万人へと拡大しました。会員数の伸びと値上げ効果が重なり、25年通期売上高は前年から16%増の452億ドルとなりました。オリジナル作品への支持も強く、25年下半期の総視聴時間は前年同期比2%増、そのうちオリジナル作品の視聴は9%増と牽引役になっています。

コンテンツ面では、日本発の本格時代劇シリーズ「イクサガミ」や、人気SFホラードラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」最終シーズンなど話題作を相次ぎ投入しました。「ストレンジャー・シングス」は配信と同時に米加の一部劇場で完結話を上映する試みも行われ、リアルとオンラインを横断する展開が注目を集めました。

一方、K-POPとファンタジーを融合させた長編アニメ映画「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズは、Netflix史上最多視聴映画となる2億3600万回の視聴を記録し、ゴールデン・グローブ賞アニメ映画賞も受賞しました。グローバルでのヒット作が会員基盤の拡大と視聴時間の押し上げに寄与しているとみられます。

同社は2026年のコンテンツ投資を前年比1割増の200億ドル(約3兆1600億円)とする計画で、オリジナルとライセンス作品の双方を拡充します。26年通期の売上高は前期比12〜14%増の507億〜517億ドル、営業利益率は31.5%とする見通しを示しており、引き続き2桁成長と高い収益性の両立を目標に掲げています。

ワーナー買収は約11兆円を全額現金に WBC独占配信でスポーツも成長軸に

次の成長ドライバーとして、ネットフリックスは米メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの一部事業を約720億ドル(約11兆円)で買収する計画を進めています。当初は現金と株式を組み合わせた形でしたが、その後パラマウント・スカイダンスによる対抗案が浮上したことを受け、約11兆円の全額現金による買収案に修正しました。買収対価をシンプルな現金に切り替えることで、株主投票までの不確実性を抑え、承認プロセスを加速させる狙いがあります。

買収が実現すれば、ワーナーが保有する映画・ドラマやスポーツ中継などの豊富なコンテンツが傘下に入り、競争が激しい配信市場での差別化につながるとみられます。一方で、約11兆円規模の資金負担は財務面のリスク要因でもあり、コンテンツ投資200億ドル計画とあわせて、今後のキャッシュフロー運営が市場の注目点になっています。

スポーツ分野では、2026年3月開催のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本国内における全試合独占生配信権を獲得しました。前回大会を地上波テレビが高視聴率で中継した日本において、次回大会はNetflixのみで視聴できる体制となり、「スポーツも配信が主流になる」とする同社の戦略を象徴する案件です。一方で、ライト層の視聴機会が減るとの懸念も指摘されており、今後の視聴データや加入動向が、日本市場での成長モデルの是非を占う試金石になりそうです。

足元では、10〜12月期決算は好調だった一方で、ワーナー買収コストやコンテンツ投資増を理由に慎重な見通しも示しており、株式市場では成長持続力と収益性のバランスを見極める動きが強まっています。大型買収とスポーツ配信へのシフトをテコに、どこまで「次の一段の成長」を実現できるかが、2026年の最大の焦点になっています。

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. グリーンランド首相「米国よりデンマーク」 領有要求のトランプ政権をけん制
    グリーンランド自治政府のイェンス=フレデリック・ニールセン首相が、トランプ米政権によるグリーンランド…
  2. 山上徹也被告に無期懲役判決、安倍晋三元首相銃撃事件で奈良地裁
    令和4年7月に発生した安倍晋三元首相銃撃事件で、殺人などの罪に問われた山上徹也被告(45)に対する裁…
  3. 中国、レアアースの対日新規契約停止を通知 既存契約破棄も検討
    レアアース(希土類)を販売する中国の国有企業が、日本向けの新規契約を結ばない方針を一部の日本企業へ伝…

おすすめ記事

  1. 「【論文紹介】 無痛分娩と オキシトシンの 使用による 児の自閉症リスク上昇 との関連」ライター:秋谷進(東京西徳洲会病院小児医療センター)

    2024-10-27

    【論文紹介】無痛分娩(分娩時の硬膜外麻酔による鎮痛)とオキシトシン(陣痛促進剤)の使用による児の自閉症リスク上昇との関連

    今回は、分娩時の硬膜外麻酔による無痛分娩で生まれた子どもが自閉症スペクトラム障害(ASD:Autis…
  2. 2025-8-25

    FC2創業者の高橋理洋被告に執行猶予判決 弁護側は「日米の価値観の違い」主張し控訴へ

    動画投稿サイト「FC2」でわいせつ動画を配信した罪に問われていたFC2創業者の高橋理洋被告(51)に…
  3. 2023年12月9、10日に開催された全国矯正展の会場(東京国際フォーラム)の入口

    2024-1-22

    日本最大規模の刑務所イベント、全国矯正展とは?刑務作業を通じて届ける矯正行政の今

    2023年12月9日(土)・12月10日(日)の2日間にわたり、東京国際フォーラムにて「全国矯正展」…

2025年度矯正展まとめ

2024年に開催された全国矯正展の様子

【結果】コンテスト

【結果発表】ライティングコンテスト企画2025年9-10月(大阪・関西万博 第4回)

アーカイブ

ページ上部へ戻る