トヨタ自動車が発表した2023年度のグループ全体の決算で、営業利益が5兆3,000億円に達し、日本の上場企業として初めて営業利益が5兆円を超えるという歴史的な記録を達成しました。この大幅な増益は、ハイブリッド車を中心とした販売の好調と、北米やヨーロッパでの車の性能向上に伴う値上げが主な要因です。
さらに円安の影響により、6,850億円の利益が押し上げられる形となりました。2023年度の営業収益は前年度比21.4%増の45兆953億円を記録し、これも過去最高の更新となります。一方で、営業利益は前年度比96.4%増の5兆3,529億円となり、最終利益は前年比101.7%増の4兆9,449億円となりました。
2024年度の見通しについては、営業収益が46兆円と昨年度より2%増を予測していますが、営業利益は4兆3,000億円と19.7%減、最終利益は3兆5,700億円と27.8%減となる減益が見込まれています。この減益の理由としては、EVやAIなど成長領域への投資拡大、仕入れ先の支援や従業員の職場環境改善に向けたコストが増加するためです。
また、トヨタは2024年度の生産見通しを公表し、トヨタ単体での生産台数が昨年度の997万台から1,000万台に増加するとしています。このような動きは、同社が今後も持続的な成長を目指していることを示しています。
トヨタ社長「さらなる成長戦略を描き持続的成長に繋げていく」
トヨタ自動車が発表した2023年度の決算は、前例を見ない大幅な利益増となりました。トヨタの佐藤恒治社長は、「今回の実績は長年のたゆまぬ商品を軸とした経営と積み上げてきた事業基盤が実を結んだ結果だ」と述べ、さらに「この経営基盤をもとにさらなる成長戦略を描き持続的成長に繋げていく」と持続的な成長への意欲を示しました。
また、宮崎洋一副社長も「過去数年と異なり事業環境が穏やかであったことから、これまで地道に積み上げてきた収益構造強化の取り組みの成果が大きくあらわれた」とコメントしています。
2023年度の営業利益は5兆3,529億円に達し、これは前の年度の2兆7,250億円から大幅に増加した数値です。この増益の背景には、ハイブリッド車を中心とした好調な販売と、円安による利益の押し上げがあります。特にハイブリッド車は、世界全体で前年度比31.1%増の355万7,609台を販売しました。
また、トヨタは為替変動の影響で、ドルで4,700億円、ユーロで1,450億円の利益を増やしました。一方で、原材料価格の高騰による2,650億円の減益がありましたが、コスト削減の取り組みによって1,200億円の増益を達成しています。