SBI北尾会長、メディア業界進出を宣言 「インフルエンサー集結」で新たな生態系構築へ

SBIホールディングスが金融の枠を超え、メディア領域への本格参入を視野に入れています。北尾吉孝会長兼社長は7日、日本経済新聞社と金融庁共催のフィンテックイベント「FIN/SUM 2025」において、大胆なビジョンを発表しました。

「インフルエンサーを束ねて巨大メディアを構築する」という北尾吉孝氏の構想は、単なる多角化戦略にとどまりません。SBIグループが築き上げてきた金融・IT分野の強みと、新たなメディア領域を融合させることで、独自の「生態系」を拡大する狙いがあります。

特に注目すべきは地方創生の視点です。北尾吉孝氏は地域メディアの革新を通じて、SBIグループの金融コンテンツを地方に展開する可能性に言及しました。

これは地方経済の活性化と、同社のビジネス拡大を同時に追求する戦略といえるでしょう。背景には、グローバルなメディアと金融の融合トレンドがあります。

北尾吉孝氏は日本のメディアが海外に比べて大きく出遅れていると指摘し、イーロン・マスク氏率いるX(旧Twitter)と米ビザの提携による送金サービスなど、海外の動きに危機感を示しています。

既にSBIグループではSNS専門チームの立ち上げなど具体的な取り組みを始めており、「イーロンに対抗できるような状況を作り上げないといけない」という北尾吉孝氏の言葉からは、この分野への並々ならぬ意欲が感じられます。

SBIホールディングスの北尾吉孝氏とは?出身や経歴

SBIホールディングス代表取締役会長兼社長の北尾吉孝氏は、1951年に船場商人の家系に生まれ、独自の金融哲学で日本のインターネット金融をリードしてきました。

北尾吉孝氏は慶應義塾大学経済学部卒業後、1974年に野村證券に入社。総合企画室での経験を経て、会社の制度を活用しケンブリッジ大学経済学部へ留学します。

帰国後は国際舞台で活躍し、野村證券時代の21年間で57ヶ国を訪問しました。この経験を通じて「顧客との信頼関係構築」の重要性を体得しました。

キャリアの転機は1995年、ソフトバンクの常務取締役への転身です。そして1999年、ソフトバンク・インベストメント(現SBIホールディングス)の代表取締役社長に就任し、金融とインターネットの融合という新たな領域を切り開きました。

北尾吉孝氏は「インターネットの進化とともにマーケットも拡大していく」という金融ビジネスの本質を見抜き、ネット証券の先駆けとなる事業を展開。その後、銀行業や保険業にも進出し、インターネット総合金融グループの基盤を確立しました。

今後は海外、特に新興国市場への展開を視野に入れており、国内で培ったノウハウを活かした国際貢献を目指しています。

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