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YouTuberにナルシストが多いのは必然だった。最新研究で判明した“インフルエンサー志向”の危うい正体

YouTuberなどのインフルエンサーの“炎上”が時として話題となるが、そもそもどのような性格特性の者がネット上で影響力を持つべく鋭意活動しているのだろうか。新たな研究ではインフルエンサー志向の者にはナルシスト傾向があることが示唆されている。
<目次>
続くYouTuberの“炎上”

相も変わらずといった感もあるが、YouTuberの“炎上”が続いている。
最近ではある女性の大食い系YouTuberに大食い撮影中に「食べ物を吐いた」疑惑が浮上し、その疑惑については触れないままに体調悪化を理由に活動を休止した。
またピアニストで人気YouTuberの男性が、違法アダルトサイト視聴や動画ダウンロードを認め謝罪した後にいったん活動を休止。このYouTuberは2020年にも音楽の違法ダウンロードで“炎上”している。
格闘家で料理人の男性YouTuberは、Xでの書き込みで某店の800円のラーメンについての感想を書き込んだことで議論を巻き起こし、その後の活動が衰退している。その前には共同運営するフード会社による“誤発注商法”だとの疑いを持たれて“炎上”した。
皮肉にも“炎上”によって注目を集めたことで新たな視聴者を獲得するケースもあることから、人気と“炎上”はまさに紙一重とも言えそうだが、インフルエンサーを目指す熱心なYouTuberにはどのような性格特性があるのか。
YouTuberにはやはりナルシストが多いのだろうか。一説ではYouTuberをはじめとするインフルエンサーには自分に絶対的な自信を持つ“俺様系”が多いともいわれている。その自信の根拠は往々にして不問であったりもするようだ。
昨年に発表された研究ではインフルエンサーとしてのキャリアを追求する者の性格特性を探っていて興味深い。
ポーランド・ヴロツワフ大学と英オックスフォード大学の研究チームが2025年2月に「Telematics and Informatics」で発表した研究では、外向性、ナルシシズム、ヒステリー傾向の高いティーンは、インフルエンサーとしてのキャリアを目指す可能性が高いことが報告されている。
YouTuberにはナルシストが多い!?

TikTok、Instagram、YouTubeといったソーシャルメディアプラットフォームが若者の自己表現やコンテンツ消費の中心になるにつれ、ティーンエイジャーたちにとってインフルエンサーになるという考えは、単なる空想から可能性のある職業的憧れへと変化している。
研究チームはインフルエンサーになることに興味を駆り立てる性格特性を探ると共に、それらの特性が、教育、医学、法律といったより伝統的なキャリアパスに関連する特性と異なるかどうかを検証するための実験を行った。
研究者たちは、3つの性格特性セットに焦点を当てた。広く研究されているビッグファイブ(開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向)、誇大妄想と強い称賛欲求を伴うナルシシズム、そして注目を求める傾向と劇的な自己表現を特徴とするヒステリー傾向である。
16歳から17歳の青少年773名(ポーランド人362名、イギリス人411名)を対象にした調査で、参加者は将来のキャリア志向や、教師、医師、ITスペシャリスト、インフルエンサーといった職業への意欲の強さについて質問され、加えてビッグファイブ、ナルシシズム、ヒステリー傾向といった特性を測定する一連の性格特性質問票にも回答した。
回答を分析した結果、サンプル全体を通して、外向性、ナルシシズム、そしてヒステリー傾向といった特性の高さは、ソーシャルメディアのインフルエンサーになりたいという強い願望と有意に関連していた。熱心なYouTuberにはやはりナルシスト傾向があってもおかしくないことになる。
重要な発見は影響力を持つことへの関心を予測する特性が、より伝統的なキャリアに関連する特性とは異なっていたことだ。たとえばナルシシズムは弁護士になることへの関心を予測したが、医師や教師になることへの関心とは結びつかなかった。ヒステリー傾向は影響力を持つことの願望を独自に予測するのみに留まり、インフルエンサー以外のほかのどの職業とも有意な関連は示されなかった。
研究チームによれば、外向的な人はコンテンツ制作やオーディエンスとの交流といった社交的な側面に惹かれる可能性があり、ナルシストはインフルエンサー活動を地位、注目、そして称賛を得るための手段と捉えるかもしれず、ヒステリー傾向のある人はオンラインでの名声というパフォーマンス面と、それがもたらす即時的なフィードバックに惹かれるのかもしれないと指摘する。
一方で、この研究は潜在的なマイナス面にも触れており、ナルシシズムやヒステリー傾向といった特性は、批判への敏感さ、気分の不安定さ、そして外部からの承認への依存度の増加と関連付けられるという。つまりインフルエンサーは“炎上”などによってメンタルヘルス悪化のリスクを抱えていることになる。
より多くの人々から注目を集めたいというナルシスト的願望には心理面のリスクがあることを予め理解しておくことが重要である。
ナルシストに文化は関係ない!?

ナルシストを多く輩出する国柄や文化はあるのだろうか。ナルシシズムは自尊心が顕著に高い一方で共感力が比較的低い心理的特性であり、また自分自身を過度に肯定し、他者をあまり尊重しないことも特徴としている。
現在の米大統領をはじめとするアメリカの政治家の演説や、世界的ラップミュージシャンのビデオクリップなどを目にしたりすると、ナルシシズムとアメリカ文化を結びつけてしまっても無理はなさそうに思える。
しかし新たな研究でナルシシズムは普遍的な特性であり、文化を超えておおむね一貫したパターンを示しており、意外なことに国別においてアメリカはナルシシズムのレベルがそれほど高くないことが報告されている。
米ミシガン州立大学の研究チームが2025年12月に「Self and Identity」で発表した研究では、53カ国から4万5000人以上を対象とした大規模な国際調査により、ナルシシズムは普遍的な性格特性であり、特定の国に集中しているわけではないことが示されている。
国によって多少の差はあるものの、ナルシシズムの度合いで最も高いスコアを示した5カ国はドイツ、イラク、中国、ネパール、韓国で、意外なことにアメリカは16位であった。逆にナルシシズムのスコアが最も低かった5カ国はセルビア、アイルランド、イギリス、オランダ、デンマークであった。
とはいえ文化を問わず一貫して、若者は年配者よりも自己中心的であり、男性は女性よりも自己中心的であることも突き止められた。つまるところどの文化圏であれ、若い男性にナルシストが有意に多く“俺様系”である確率が高いのである。
これまでの研究では、文化が個人の性格や異なる人口統計学的背景を持つ人々の生活経験の形成に重要な役割を果たしていることが示されてきたが、今回の研究はナルシシズムの度合いにおいて、文化にはそれほど大きな影響を与えない側面もあることを示唆している。
さらに意外だったのは、きわめて集団主義的、つまりグループ志向の強い国の人々が、より個人主義的な思考の強い国の人々の行動パターンに似ていたことである。ということは集団主義的な社会やコミュニティでもナルシストは相応の割合で存在しているのだ。
これまではナルシシズムを醸成するのはアメリカ文化のような豊かで個人主義傾向が強い社会にあると考えられがちではあったが、今回の研究では文化に関係なく社会主義国家や軍隊などの集団主義的組織においてもナルシシズムは育まれているようである。
ネット上であれ対面関係であれ、どこでも一定数の“俺様系”が存在しているとすれば、“炎上”がなくならないのも無理からぬことであるとも言えそうだ。
※研究論文
Who wants to be a YouTuber? Personality traits predict the desire to become a social media influencer
Cultural moderation of demographic differences in narcissism














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