
米実業家のイーロン・マスク氏は22日、スイスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で講演し、人工知能(AI)のインフラ整備に向けて3年以内に宇宙空間でデータセンターを構築する構想を明らかにしました。AIを動かす電力は太陽光に頼るべきだと主張し、米国で原子力発電所100基分の発電能力に相当する太陽光発電の整備計画を各企業と進めていると表明しました。
ダボス会議は2026年1月19日から23日までスイスのダボス・クロスタースで開催され、130カ国以上から約3,000人のリーダーが参加しました。マスク氏はこれまでダボス会議に対して批判的でしたが、今回初めて出席することを決めました。
講演でマスク氏は、AIの普及における最大の制約は電力だと指摘しました。宇宙空間では常時太陽光が得られ、気象や季節変動の影響を受けず、放熱条件にも優れることから、太陽光で駆動するAI関連設備やデータセンターを配置することが合理的だと述べました。マスク氏は「宇宙こそが膨大なエネルギーの拠点で、無限の余地がある」と強調し、遅くとも3年以内に太陽光発電式のデータセンターを宇宙に設置すると述べました。
AIの未来について、マスク氏は「遅くとも来年(2027年)に人間を超える知能を持つAIが誕生する。5年後にはAIが人類全体の知能を統合したものを上回る」と予測しました。さらに「AIとロボットこそが持続可能な豊かさを実現する唯一の方法だ」とし、AIを事業の軸とする計画を示しました。テスラ、xAI、スペースXなど運営する企業の資金や技術を組み合わせていく方針です。
地上のインフラとして、マスク氏は「スペースXとテスラで両社が別々のチームで米国で年間100ギガワット(ギガは10億)の太陽光発電を製造する計画を進めている」と述べました。1ギガワットは原子力発電所1基分に相当します。実現には3年程度かかるとしました。
構想の念頭にあるのは、中国が持つ豊富な太陽光発電インフラです。マスク氏は「中国は年間1000ギガワット以上の太陽光発電を導入している。電池と組み合わせれば米国の年間電力生産量の半分をまかなえる」とした上で、「AIによる成長の全ては太陽光にかかっている」と述べました。
史上最大級のIPO計画、宇宙データセンター資金に
宇宙データセンターの構築には人工衛星の活用が必要となります。米報道ではマスク氏は計画実現に向け宇宙開発企業のスペースXの上場を計画していると報じられています。
英紙フィナンシャル・タイムズは22日、スペースXがバンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーの米4社の投資銀行部門と上場に向け交渉していると報じました。関係者によると、スペースXは300億ドルを大幅に上回る資金調達を目指しており、企業価値は約1兆5000億ドル(約237兆円)に達する可能性があります。これが実現すれば史上最大級のIPOとなります。
スペースXの最高財務責任者ブレット・ジョンソン氏は株主への書簡で「2026年にIPOする方向で準備している」と述べました。IPOで調達した資金は、宇宙へのAIデータセンターの配備や無人および有人火星ミッションの推進などに充てられる見通しです。
また、マスク氏はテスラがテキサス州オースティンで試験走行中の自動運転タクシー(ロボタクシー)が「無人運転を始めた」ことも明らかにしました。








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