
政府が東京都・南鳥島沖でレアアース(希土類)を含む泥の試掘に成功したことを受け、小泉進次郎防衛相が、自衛隊による警戒監視態勢の重要性を改めてアピールしています。小泉氏は2月26日、自身のX(旧ツイッター)を更新し、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」が南鳥島周辺で試掘作業に臨む様子を、飛行中の海上自衛隊機から撮影した画像とともに紹介しました。投稿では「自衛隊は『ちきゅう』も見守っています」と述べ、国家的プロジェクトを海空から支える役割を強調しています。
南鳥島沖では、内閣府とJAMSTECが進めるプロジェクトの一環として、深海底からレアアースを含む泥を引き揚げる試掘が行われ、水深約5600〜6000メートルの海底からの採取に成功したと発表されています。試掘に用いられた「ちきゅう」は、清水港を出港後、東京都心から南東約1900キロに位置する南鳥島沖の排他的経済水域(EEZ)に到着し、数日間連続でレアアース泥を引き揚げる世界初の試みを実現したとされています。この取り組みは、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の枠組みで実施されており、将来的な本格採掘や産業化に向けて、採鉱システムや採算性の検証が進められています。
一方、南鳥島は日本の最東端に位置し、海上自衛隊の南鳥島航空派遣隊が基地施設の維持や航空機への給油支援などを担っています。小泉氏が紹介した画像は、この周辺上空を訓練飛行していた海自の救難飛行艇が、「ちきゅう」を機上から捉えた際の様子だと説明されています。防衛省・自衛隊の投稿を引用する形で行われた今回の発信は、資源調査の現場と自衛隊の活動を可視化し、国民に対して安全保障と経済安全保障の結び付きへの理解を促す狙いもあるとみられます。
中国の動きにらみ、資源開発と安全保障一体で
南鳥島沖のレアアース泥は、ハイテク製品や脱炭素技術に不可欠な重要鉱物資源として注目されており、日本政府は中国依存からの脱却と供給網の多角化に向けた切り札の一つと位置づけています。中国はレアアースの世界的な主要供給国であり、過去には輸出規制などを通じて経済的圧力の手段として活用してきたと指摘されています。日本周辺でも、南鳥島近海での日本側の調査や試掘の動きに対し、中国海軍の空母が2025年6月に周辺海域で活動するなど、牽制とみられる行動が報じられており、政府は警戒感を強めています。
こうした状況のなか、防衛省・自衛隊は「我が国の関係者が安心して資源調査などを実施できることは重要です」と投稿し、南鳥島周辺海空域での警戒監視を継続し、万全を期す姿勢を示しています。小泉氏のXでの発信は、防衛相就任後、自衛隊の活動を積極的に可視化しようとする一連の広報戦略の一環でもあり、国民に対して安全保障政策や自衛隊の役割への理解と支持を広げる狙いも滲みます。
今後、南鳥島沖では、引き揚げられたレアアース泥の精製技術の検証や、2027年をめどに一日当たり数百トン規模の本格採掘試験が計画されており、日本の資源自立と経済安全保障を左右する長期プロジェクトへと発展していく見通しです。資源開発の進展とともに、周辺海空域での他国軍の動きや妨害リスクへの備えとして、自衛隊の役割は一層重みを増していくことになりそうです。












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