
総務省が発表した2025年4月の東京都区部における消費者物価指数によると、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比3.4%上昇し、2023年4月以来となる高い伸び率を記録しました。この上昇は44ヶ月連続のプラスとなります。
特に注目すべきは「米類」の価格高騰で、前年比93.8%という驚異的な上昇率を示し、7ヶ月連続で過去最高記録を更新しています。政府が値下がりを狙って放出した備蓄米は一部店頭に並び始めたものの、広く行き渡っていない状況です。
この価格高騰はコメ関連商品にも波及し、おにぎりが15.8%、外食のすしが8.3%とそれぞれ大幅に値上がりしています。
物価上昇の背景には複数の要因があります。東京都の高校授業料実質無償化政策の効果が一巡したことに加え、政府のエネルギー料金支援策の縮小が直接影響し、電気代(前月8.5%→13.1%)や都市ガス代(前月2.0%→4.8%)の上昇率が急拡大しました。また、鳥インフルエンザの影響を受けた鶏卵も7.1%上昇しています。
食料全体(生鮮食品除く)の上昇率も前月の5.6%から6.4%へと拡大しており、広範な価格高騰が続いています。東京の消費者物価は全国の指標の先行指標として注目されており、全国版は5月23日に公表される予定です。
この物価動向は、日本経済のインフレ傾向が予想以上に根強いことを示しており、家計への影響が懸念されています。
相対取引価格の推移|急激な価格高騰が起こっている原因
令和6年産米(2024年産)の価格動向は驚異的な上昇を示しています。令和7年(2025年)3月の相対取引価格は全銘柄平均で25,876円/60kgとなり、前年同月比で約68%(+10,448円)という過去に例を見ない高騰を記録しました。
年産平均価格も24,500円/60kgと、比較可能な平成2年以降で過去最高値となっています。月次の推移を見ると、昨年9月の出回り時点から右肩上がりで上昇し、今年2月にピークの26,485円を記録した後、3月はわずかに下落したものの高止まりが続いています。
この急激な価格上昇は、前年度の不作や天候不順による影響に加え、長期的な米の生産調整政策や農業従事者の減少などの構造的要因も背景にあります。
また、米価格の急騰によって、消費者の家計負担が増大している点も問題点の1つです。スーパーでの平均価格は5キロあたり4,220円に達し、生活必需品としての米の安定供給に懸念が広がっています。