ゴールドマン・サックス、ティー・ロウ・プライスに最大10億ドル出資

ゴールドマン・サックス、ティー・ロウ・プライスに最大10億ドル出資

米投資銀行大手のゴールドマン・サックス・グループは4日、資産運用会社のティー・ロウ・プライス・グループに、最大10億ドル(約1480億円)を出資すると発表しました。

この大型出資により、ゴールドマン・サックスは個人投資家向けのプライベート資産投資商品の拡大を狙っており、トランプ政権下で規制緩和が進む約12兆ドル(約1800兆円)の個人年金市場への本格参入を図っています。

今回の協業により、両社は退職に向けた資産形成を目指す個人投資家や富裕層向けに幅広い投資商品を提供する計画です。特に注目されるのは、ティー・ロウ・プライスの既存顧客基盤を活用して、プライベートエクイティやヘッジファンドなどの未公開市場投資商品を個人投資家に販売する取り組みです。

発表を受け、ティー・ロウ・プライスの株価は時間外取引で上昇するなど、投資家からの期待の高さを示しています。同社は約1.7兆ドルの運用資産を持ち、個人退職口座(IRA)や確定拠出年金(401k)プランにおける豊富な顧客基盤を有する資産運用大手です。

個人年金市場への規制緩和が後押し

この大型出資の背景には、トランプ政権による金融規制緩和の流れがあります。同政権は、退職年金制度でのプライベート市場投資を促進する大統領令に署名しました。労働省と証券取引委員会(SEC)に対して、401kプランにプライベート資産投資を含める内容のガイダンス提供を指示しました。

この規制緩和により、従来は主に株式や債券などの伝統的な投資商品に限定されていた個人投資家も、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、不動産、ヘッジファンドなどへのアクセスが可能になると期待されています。これらの資産は公開市場で取引されず、リスクは高いものの潜在的に高いリターンが見込まれています。

実際に米国の個人年金市場は拡大を続けており、2024年には前年比13%増の4341億ドルと過去最高を記録しました。堅調な株式市場に支えられて変額年金が増加に転じており、市場の成長性が注目されています。

今回のゴールドマン・サックスとティー・ロウ・プライスの提携は、規制緩和により解放される巨額の個人年金マネーを狙った戦略的な動きでした。今後も、同様の合従連衡が米金融界で加速する可能性があります。

両社の協業により、個人投資家がより多様で収益性の高い投資機会にアクセスできるようになるため、資産形成の新たな選択肢の広がりが期待されています。

関連記事

コメントは利用できません。

最近のおすすめ記事

  1. 東京23区の家賃、世帯所得の4割超え マンション価格高騰が賃貸市場に波及
    不動産価格の高騰がマンション家賃に波及し、働く世代の家計を圧迫する懸念が強まっています。東京23区で…
  2. 3度目の大阪都構想住民投票へ 吉村知事・横山市長が辞職意向 衆院選に合わせダブル選実施
    大阪府の吉村洋文知事と大阪市の横山英幸市長が、それぞれ辞職して衆院選に合わせた出直しダブル選に臨む意…
  3. リーゼント刑事を突き動かす 未解決事件への執念 26年目の逮捕劇と 今でも追う逃亡犯
    忘れられない出来事があった2025年。1999年11月の「名古屋市西区主婦殺害事件」で安福久美子容疑…

おすすめ記事

  1. 網走刑務所で刑務作業を行う受刑者

    2025-7-21

    網走刑務所とはどんな場所?現役職員に聞いた歴史と受刑者の今

    強固な警備体制や凶悪事件の受刑者が収容されるイメージもある網走刑務所。映画やドラマなどの影響で、怖い…
  2. 2023年12月9、10日に開催された全国矯正展の会場(東京国際フォーラム)の入口

    2024-1-22

    日本最大規模の刑務所イベント、全国矯正展とは?刑務作業を通じて届ける矯正行政の今

    2023年12月9日(土)・12月10日(日)の2日間にわたり、東京国際フォーラムにて「全国矯正展」…
  3. 「【論文紹介】 無痛分娩と オキシトシンの 使用による 児の自閉症リスク上昇 との関連」ライター:秋谷進(東京西徳洲会病院小児医療センター)

    2024-10-27

    【論文紹介】無痛分娩(分娩時の硬膜外麻酔による鎮痛)とオキシトシン(陣痛促進剤)の使用による児の自閉症リスク上昇との関連

    今回は、分娩時の硬膜外麻酔による無痛分娩で生まれた子どもが自閉症スペクトラム障害(ASD:Autis…

2025年度矯正展まとめ

2024年に開催された全国矯正展の様子

【結果】コンテスト

【結果発表】ライティングコンテスト企画2025年9-10月(大阪・関西万博 第4回)

アーカイブ

ページ上部へ戻る