
2025年9月30日、生活に密着した食材である卵の価格が、統計開始以来9月としては最高値を記録しました。JA全農たまごが発表した東京地区における9月の平均卸売価格は、Mサイズ1キロあたり320円となり、前年同月比で64円の大幅値上がりとなりました。この価格上昇は、昨年秋から今年初頭にかけて発生した鳥インフルエンザの深刻な影響によるものです。
農林水産省の発表によると、2024年10月17日に今シーズン最初の鳥インフルエンザが確認され、その後全国各地に拡大し、2025年3月時点で採卵鶏約841万羽が殺処分されました。これは全国の採卵鶏の約6.5%に相当する規模で、卵の供給量に深刻な打撃を与えました。現在も供給量は前年に比べて大幅に減少しており、価格上昇の主要因となっています。
さらに、猛暑による鶏の産卵率低下や飼料価格の上昇なども相まって、卵の生産環境は厳しい状況が続いています。東京以外の主要都市でも同様の価格上昇が見られ、大阪では325円、名古屋で331円、福岡で330円と、いずれも前年同月比で69円から74円の値上がりを記録しています。
需要増加が価格を押し上げる年末商戦への懸念
卵価格の高騰に拍車をかけているのが、秋から年末にかけての需要増加です。すでに外食チェーンでは恒例の「月見商戦」が始まっており、業務用卵の消費が急激に増加しています。月見バーガーや月見うどんなど、卵を使った季節限定メニューが全国で展開されており、これらが卵需要を押し上げる要因となっています。
さらに深刻なのは、冬にかけてのクリスマスケーキ商戦です。クリスマスケーキの製造には大量の卵が必要で、例年この時期は卵の需要が1年で最も高まる期間とされています。家庭での鍋料理の機会も増える季節のため、家庭消費も増加傾向にあります。
業界関係者は、これらの季節的需要要因と供給減少が重なることで、年内は例年よりも高い価格水準で推移する見通しを示しています。特に、クリスマス商戦期の価格動向が消費者の家計に与える影響は大きく、年末年始の食卓事情に影響を及ぼす可能性があります。
日本養鶏協会によると、この冬に鳥インフルエンザが再発しなければ、2026年夏頃には1キロあたり250円程度まで価格が落ち着く可能性があるとしていますが、防疫対策の徹底が価格安定化の鍵を握っています。今後の価格動向は、鳥インフルエンザの発生状況と季節需要のバランスによって大きく左右される状況が続きそうです。

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