
北海道胆振東部地震から7年を迎えた北海道安平町で10月5日、町民を対象にした総合防災訓練が実施されました。震災後初めて各町内会が自主的に声をかけあい避難訓練を行うなど、町全体で災害への備えを再確認する重要な機会となりました。
2018年9月6日に発生した胆振東部地震では、安平町で最大震度6強を記録し、建物450棟が全半壊の被害を受けました。この大規模災害により住民の避難生活が長期化したことを受け、今回の訓練では実際の災害時により効果的な対応ができるよう、実践的な内容が重視されました。
訓練は午前8時45分から午後1時30分まで、安平町追分公民館をメイン会場として開催されました。防災行政無線や携帯電話の緊急速報メールを使用した情報伝達訓練から始まり、震度6強の地震発生を想定した大規模な避難訓練が実施されました。
特に注目されたのが、避難所設営訓練における段ボールベッドの組み立て実習です。参加者は実際に段ボールベッドを作りながら、避難所での生活環境の改善について学びました。実際に胆振東部地震の避難所で段ボールのベッドを使用した経験を持つ町民からは、「胆振東部地震では段ボールのベッドで寝ていたが組み立てることはしていないのでためになった」との声が聞かれました。
今回の訓練では、地域ごとに設立された自主防災組織や自治会・町内会が中心となって実施されました。追分第一町内会自主防災会、追分本町町内会防災組織、追分第四町内会自主防災組織、花園町内会自主防災会、青葉町内会自主防災会などが、それぞれ避難訓練やワークショップを開催し、地域全体で防災意識の向上を図りました。
訓練内容は多岐にわたり、消防車両の展示や放水体験、防災関連企業による防災グッズの展示も行われました。さらに、自衛隊による炊き出し訓練も実施され、参加者には調理されたカレーライスが無料で提供されるなど、災害時の食事供給体制についても実践的な学習機会が提供されました。
災害対策における段ボールベッドの重要性
段ボールベッドは災害時の避難所生活において重要な役割を果たします。床から30センチの高さがあることで、床のゴミや埃から距離を保つことができ、冷気を遮断して保温効果を高める効果があります。また、エコノミークラス症候群の予防にも効果的で、起き上がりやすさによって避難者の健康維持に貢献します。
近年、段ボールベッドを備蓄する自治体数は急激に増加しており、2020年初めから約2年半で15から51へと3倍以上に増加したことが報告されています。これは新型コロナウイルス感染症対策としても注目されたことが背景にあり、一定の高さを保つことで床の埃に付着したウイルスを吸引するリスクを軽減できるためです。
安平町の今回の訓練は、7年前の災害経験を踏まえ、より実践的で効果的な災害対策の重要性を地域全体で共有する貴重な機会となりました。各町内会の自主的な参加と連携により、災害時の迅速な対応能力向上と地域防災力の強化が期待されます。

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