国税当局の税務調査にAIを導入 追徴税額と申告漏れ所得は過去最多を記録

国税当局による個人所得税の税務調査において、AI導入の効果が注目されています。2023事務年度の追徴税額と申告漏れ所得は過去最多を記録する一方、調査件数自体は減少傾向にあります。この背景には、AIを活用した効率的な調査対象の選定があるようです。

国税庁は、過去の申告情報や調査事績をAIに学習させ、申告漏れの可能性が高いケースを割り出すことで、的確な調査に繋げていると説明しています。

中小企業に対する税務調査でも、AIの判定により追徴税額が大幅に増加したとのデータもあります。中小企業に対しては、2022事務年度からAIによる選定を導入しているとのことです。

しかし、AIへの依存が高まることで、調査官の技量低下を懸念する声もあがっています。これに対し、税務行政に詳しい関係者は、AIの導入がむしろ全体のスキルアップに繋がると反論しています。

ネット上では、「税務署ほどAIに適してる業界は無いのでは?」「国会議員に導入しないのですか?」「こういう活用は真面目に払ってる側からすると素晴らしい」などの意見が寄せられています。

AI導入による効率化 明確な費用対効果は公表されず

税務調査へのAI導入による効率化の是非については、明確なデータが乏しく、その効果は定かではありません。しかし、国税職員の減少が続く中、限られた人的資源を有効活用するためには、AIを活用した対象選定は一定の意義があるといえます。

ただし、元大阪国税局幹部の丸之内陽一近畿大教授は、調査対象の選定と実際の調査には職人的な感覚が不可欠だと指摘。一方で、AIによる選定結果は、職員にとっても学びの機会になり得ます。

丸之内陽一近畿大教授は、従来の職人技を生かしつつ、AIのメリットも取り入れる「ハイブリッド」アプローチの必要性を訴えています。また、AIを導入することで、税務調査の公平性が高まるという側面もあります。

税務調査の現場では、対象選定と実際の調査が一体的なものとして捉えられており、いずれにも職人的な感覚が求められてきました。AIに全てを任せることは得策ではありませんが、過去の申告内容から学ぶことも多いはずです。

なお、納税者は適正な申告を心がけている限り、過度に不安を抱く必要はありません。国税当局には、丁寧な説明を通じて理解を求める姿勢が求められます。

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