
SNSで知り合った人物から投資話を持ちかけられる詐欺事件が、全国で急増しています。2025年10月3日までに、香川県では70代女性が約1億1500万円、愛知県では60代男性が約1億6700万円をだまし取られました。被害額が1000万円を超える高額被害が相次いでいます。
この種の詐欺では、SNSやマッチングアプリで知り合った投資の専門家や金融関係者を名乗る人物が、「絶対に儲かる」と暗号資産(仮想通貨)などへの投資を持ちかけます。被害者は相手が指定した投資アプリをダウンロードさせられ、指定の口座や暗号資産アドレスに繰り返し送金してしまうのです。
詐欺師は偽の投資アプリを使って利益が出ているように表示し、最初は少額の引き出しに応じることで被害者の信頼を得ます。しかし、被害者がより多額の投資をした後は、「出金するには手数料が必要」などと理由をつけて追加の入金を要求し、最終的には連絡を絶ちます。
警察庁の統計によると、SNS型投資・ロマンス詐欺の2024年の認知件数は前年の2.6倍の1万237件、被害額は2.8倍の1271億9000万円に急増しました。投資詐欺の既遂事件1件当たりの被害額は1358万5000円と極めて高額で、被害者の年齢層は40代から70代まで幅広い世代に及んでいます。
金融機関では特殊詐欺対策として、暗号資産交換業者への送金制限を強化しています。金融庁と警察庁は過去2回にわたり、金融機関に対して振込名義を変更した暗号資産交換業者への送金拒否や、インターネットバンキングの利用限度額の機動的な見直しなどを要請しました。
北洋銀行は2025年7月28日から、振込制限措置を導入。口座名義人と振込依頼人名が異なる場合には、暗号資産交換業者口座への振込ができなくなりました。このような取り組みは金融機関全体に広がっており、各行が詐欺被害の未然防止につとめています。
金融庁が対策強化 被害相談数は月300件超
金融庁は「無登録で金融商品取引業を行う者」のリストを公表し、登録されていない業者との取引に注意を呼びかけています。暗号資産の相談について、月平均300件以上が金融サービス利用者相談室に寄せられており、その大半は詐欺的な内容です。
相談の一例として挙げられるのは、マッチングアプリやSNSをきっかけに暗号資産取引の勧誘を受け、出金時に保証金や税金名目で追加請求されたケース。また、著名人が出演しているフェイク動画を見て取引を始めたものの、入金したお金が出金できないといったケースなどです。
一方で、国民の金融リテラシー向上を目指し、2025年3月には最先端テクノロジーを活用する11社が「金融教育の未来を創る企業連合会」を設立しました。この連合会では、小中学校からの金融教育義務化や企業向け金融教育への税制優遇などの政策提言を行い、詐欺被害防止に向けた取り組みを推進しています。

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