
2025年10月9日、非常に強い勢力を保った台風22号が伊豆諸島南部を直撃し、東京都八丈島では記録的な災害となりました。気象庁は9日午前6時20分に八丈町に大雨特別警報を発表し、最も強い警戒レベル5相当の「緊急安全確保」が同町の全地域に発令されました。これにより被災した住民約350人が町内6カ所の避難所に避難する事態となり、東京都は10月8日夜に伊豆諸島7町村に対し災害救助法を適用することを決定しました。
台風の直撃により八丈島では線状降水帯が5時半頃と8時半頃に相次いで発生し、24時間雨量は356.5ミリメートルを記録する記録的な大雨となりました。最大瞬間風速は54.7メートルを観測し、家屋の屋根が吹き飛ばされる被害や学校体育館の屋根剥離、ビニールハウスの骨組み変形などの深刻な建物被害が相次ぎました。警視庁によると、駐車場に停めてあった軽自動車が風で横転する事態も発生しましたが、幸い人的被害は報告されていません。
ライフラインへの影響も深刻で、東京電力の発表によると島内約5700軒から6480軒が停電し、八丈町では約200世帯が断水に見舞われました。電柱の根元からの倒壊や電線の垂れ下がりも多数発生し、道路交通も大きく影響を受けました。ホテルなどでは窓ガラスが割れる被害も発生しており、宿泊客や従業員は館内の安全な場所への避難を余儀なくされました。
東京都による災害救助法の適用対象は、八丈町のほか利島村、新島村、神津島村、三宅村、御蔵島村、青ヶ島村の計7町村となっています。これは都内では2020年10月の台風14号以来5年ぶりの適用となり、災害救助法施行令第1条第1項第4号に基づいて多数の者が生命又は身体に危害を受ける恐れがあると判断されました。
政府支援措置と今後の警戒体制
災害救助法の適用を受け、経済産業省は10月9日に被災中小企業・小規模事業者への支援措置を発表しました。具体的には日本政策金融公庫や商工組合中央金庫による災害復旧貸付の実施、セーフティネット保証4号の適用、小規模企業共済災害時貸付の適用などが含まれています。また各金融機関では保険料の支払い猶予期間延長や保険金の簡易迅速な支払いなどの特別措置が実施されています。
今回の台風22号に続いて、既に台風23号が発生しており、11日からの3連休にかけて沖縄から関東にかけて影響が出る見込みです。台風22号で被害を受けた伊豆諸島では、再び警報級の大雨や暴風の恐れがあるため、気象庁は引き続き最大級の警戒を呼びかけています。特に地盤が緩んでいる土砂災害警戒区域では、雨がやんだ後も半日程度は土砂災害の危険性が続くため、継続的な注意が必要です。










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