
沖縄県衆院2区選出で社民党副党首を務める新垣邦男衆院議員が11月2日、同党に離党する意向を表明しました。新垣氏は同日午後に宜野湾市内の事務所で記者会見を開き、離党の正式な発表を行う予定です。新垣氏は10月31日付で離党届を党に郵送しており、党が当初これを受理しなかったものの、本人の意思は変わらないとみられています。
新垣氏は離党理由について「沖縄政策を前に進めるためには国会内で議員数を増やす必要がある一方で、社民党としての党勢拡大に限界を感じた」と説明しています。沖縄の米軍基地の負担軽減や経済政策の実現に向けて、国会での影響力拡大が不可欠だと判断した形です。北中城村長を4期務めた地方行政の経験から、政策実現までのスピード感と実効性を重視する姿勢が際立っています。
新垣氏は2021年10月の第49回衆院選で初当選し、現在2期目を務めています。故照屋寛徳衆院議員の後継者として社民党から立候補し、その後も2024年10月の第50回衆院選で再選を果たしました。党内ではこれまで重要な役割を担い、2022年3月からは副党首を兼任、国対委員長と政策審議会長も兼務していました。
重要な点として、社民党の衆院議員は新垣氏のみであり、その離党は党の国会内での発言力に直結する大きな打撃となります。党の福島瑞穂党首は10月31日の段階で「離れてほしくない。引き続き慰留に努めていきたい」とコメントしており、党側の引き止めにもかかわらず離党の決断に至った形となっています。
国会での政策実現が離党判断の背景
新垣氏はこれまで国会内で立憲民主党会派に所属し、沖縄の基地問題や福祉政策などについて積極的に質問を行ってきました。しかし、政党の規模の小ささゆえに政策交渉の間口が限定的で、国会での実効的な影響力に限界があることへの課題感があったと考えられます。北中城村で培った行政経験から、地域の声を実際の法制度に反映させるためには、より大きな政治的プレゼンスが必要という判断が働いたものと見られています。
今後の新垣氏の動向として、どの政党会派に属するのか、あるいは無所属での活動を続けるのかが焦点となります。沖縄県内の政治基盤と国会での影響力拡大を両立させる新たな選択肢の模索が予想されます。












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