大手コンビニチェーンのローソンは国内の業績が好調で、大幅な増収増益となり、営業収益と最終利益でファミリーマートを抜き去りました。営業収益は前年比8.8%増の1兆879億円、最終利益は75.5%増の521億円と、いずれも過去最高を更新しました。
特に中国市場での消費回復が、海外事業の増益に大きく貢献したとのことです。ローソンの社長である竹増貞信氏は、技術革新に積極的な姿勢を見せています。
「例えば、各地の嗜好に合わせて、あるいは当日の気温や湿度に合わせて、ロボティクスでそういう情報を全部吸収した上で、本当に今日、今一番美味しいお料理をお客様に提供できないだろうか」とコメントし、続けて「陳列ロボットが画像認証で賞味期限を見極めて、棚をから下ろさないといけない商品も自動でどんどん下ろしていく、こういったシステムになったらどうだろうか」と述べました。
来年6月には50周年を迎え、リアル店舗とテクノロジーを掛け合わせた「未来のコンビニ」のモデル店舗を公開する予定です。
一方、ファミリーマートも業績は良好で、営業収益は前年比10%増の5,078億円に達し、最終利益は50.9%増の518億円でした。しかし、ファミリーマートの社長である細見研介氏は、「マイナス金利の解除と継続するインフレが消費を冷やす懸念がある」と慎重な見解を示しています。
また、「原材料の高騰が進んでいるので、値上げというものはやらざるを得ない局面がこれからも続く」と述べており、「価格以上の価値を伴った商品開発をしていく」と今後の戦略について語りました。
コンビニ業界の大手3社が過去最高の営業利益を更新
コンビニ業界の大手3社、セブン&アイ・ホールディングス、ローソン、ファミリーマートは、今年2月までの1年間でそれぞれ過去最高の営業利益を記録しました。この業績の背景には、訪日外国人の数が回復し、新型コロナウイルスの5類移行によるイベント需要の増加があります。
また、猛暑の影響で飲料の販売が好調だったことも追い風となりました。さらに、各社の1店舗あたりの平均売上高も過去最高を更新しています。
セブン-イレブンは69万1,000円、ファミリーマートは56万1,000円、ローソンは55万6,000円となりました。しかし、値上げが続いていることから消費者の節約意識は根強く、今後は商品価値の向上が各社の重要な戦略となっています。