タイ人少女(12)に労働を強要 都内マッサージ店経営者らを逮捕

タイ人少女(12)に労働を強要 都内マッサージ店経営者らを逮捕

11月6日、警視庁保安課はタイ国籍の12歳少女を違法に働かせたとして、労働基準法違反(最低年齢)の疑いで店の経営者・細野正之容疑者(51)=東京都調布市=を逮捕したと発表しました。少女は、東京都文京区湯島の個室マッサージ店で性的なサービスを伴う接客に従事させられていた模様です。この事件は、悪質な児童搾取事件として捜査が進められています。

警視庁への取材によると、少女はタイで妹と祖父母と暮らしながら公立中学校に通っていました。母親は海外で働いており、普段は離れて暮らしていたといいます。6月下旬、母親から「日本で仕事をする」と言われた少女は、母親と共に短期ビザで入国しました。

空港から直接マッサージ店に連れてこられ、性的サービスの仕事内容が説明されました。少女は「いやだ、やりたくない」と思ったものの、母親の指示に従わざるを得なかったと供述しています。​入国の翌日、母親は「迎えに来るから働いていて」と告げ、単身タイに帰国しました。少女は一人日本に取り残され、店の台所に寝泊まりしながら、客の相手を強いられることになりました。

警視庁の調べによると、2025年6月27日から7月29日までの33日間で、少女は約60人の男性客を相手にさせられたとみられています。売上は約62万7000円にのぼり、店側が受け取った後、残りは母親の関係者名義の口座に送金されていました。

8月には母親の紹介で別県の店に移され、そこでも同様の仕事をさせられていました。少女は母親が迎えに来ないことを悟り、「タイに帰りたい。祖父母や妹に会いたい。中学校に通いたい」と考えるようになったといいます。9月中旬、少女は東京都港区の東京出入国在留管理局を訪れ、「タイに帰りたい」と申告しました。この申告をきっかけに、少女は人身取引の被害者として保護されることになりました。

国際的な連携による被害者保護と今後の課題

警視庁をはじめ、入管当局、タイ大使館、国際移住機関(IOM)などが連携して、少女の心理的ケアと安全な帰国支援を行う体制が整備されています。逮捕された細野容疑者は調べに対して黙秘しており、警視庁は人身売買罪での本格的な捜査を進める予定です。また、背後に組織的なブローカーの存在がないか、徹底的に調査を続けています。​

この事件は、児童に対する性的搾取という国際的な人権問題として、重大な警告を示しています。事件を受けて、国内の児童保護体制と国際的な人身取引防止の連携強化が急務です。過去の人身取引事案と比較しても、今回のケースは極めて深刻で、被害者の低年齢化という問題を浮き彫りにしました。少女が無事にタイに帰国し、学校に戻れることが望まれます。

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