
ウズベキスタンで開催中のワシントン条約締約国会議の委員会で11月27日、ニホンウナギを含むすべてのウナギを国際取引の規制対象にする提案が否決されました。投票の結果は賛成35票、反対100票、棄権8票となり、可決に必要な3分の2以上の賛成には大きく届きませんでした。
今回の提案は、EU(欧州連合)などがニホンウナギを含むウナギ属全種を、輸出許可書が必要となるワシントン条約の「附属書II」に掲載するよう求めたものです。すでにヨーロッパウナギは2009年から附属書IIに掲載され、事実上の取引禁止状態となっています。EUは、ウナギの種の識別が困難で違法取引の温床になっているとして、全種を規制対象にすべきだと主張していました。
これに対し、日本政府は「ニホンウナギの資源管理は十分であり、絶滅の恐れはない」として規制に強く反対しました。日本は中国、韓国、アメリカなどとともに反対票を投じ、各国への働きかけを積極的に行いました。採決前には外務省や水産庁の関係者がアフリカなど各国の代表団に直接説明を行うなど、否決に向けた外交努力が続けられていました。
水産庁の信夫隆生次長は採決後、「これまで関係省庁が連携し、あらゆる機会を通じて関係各国に働きかけをしてきたが、多くの国から理解が得られた」と評価しました。また、鈴木憲和農林水産大臣は「本提案は国際取引による絶滅の恐れのないニホンウナギが含まれるなど、科学的根拠を全く欠いている」と述べ、「日本の食文化を守ることができた」とSNSでコメントしました。
日本で消費されるウナギの約7割は中国などからの輸入に依存しています。もし規制案が採択されていた場合、輸出国は許可書の発行が義務となり、事務的な負担の増加や物流の遅延によって価格上昇につながる可能性が指摘されていました。国内のウナギ業界からも「まずはホッとしている」との安堵の声が上がっています。
12月の本会議で再投票の可能性も 日本は外交努力を継続
ただし、今回の委員会での否決は最終決定ではありません。12月5日に開催される全体会合において、出席した国の3分の1以上が発議すれば再び投票を行うことができます。過去のワシントン条約締約国会議では再投票によって結果が覆った例もあり、日本政府は引き続き警戒を緩めていません。鈴木農林水産大臣は「この結果はまだ最終的なものではないので、引き続き緊張感を持って万全の対応を行っていただきたい」と述べ、外交努力の継続を現地の担当者に指示しました。
一方、ニホンウナギは2014年に国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで「絶滅危惧種」に指定されており、資源減少への懸念は国際的に根強くあります。水産庁は12月からシラスウナギ(稚魚)について取引記録の作成・保存を事業者に義務付ける方針で、密漁や不正取引の防止を図ります。大消費国として、日本には資源管理の強化と流通の透明化が引き続き求められています。









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