
米国政府は12月10日、ビザ(査証)なしで観光に訪れる外国人に対し、最大5年分のSNS利用情報の提出を義務付ける規制案を公表しました。日本や欧州諸国を含む約40カ国が対象となっており、トランプ政権が重視する外国人の審査や国境警備の強化の動きが一段と強まっています。この新たな規制により、観光客や短期出張者の入国に影響が及ぶ可能性が出てきました。
米税関・国境取締局(CBP)が連邦官報で明らかにしたこの規制案は、日本人を含む外国人観光客が利用する「電子渡航認証システム(ESTA)」の申請時に、SNSの情報開示を必須項目として求めるものです。現在ESTAには2016年からSNSアカウントに関する質問が導入されていますが、回答は任意となっており、提供するかどうかは選択可能です。CBPの公式サイトには「質問に回答しない、またはSNSアカウントを持っていない場合でも、ESTA申請に不利な解釈がされることはない」と記されていますが、今回の規制案ではこれが必須項目に変更されることになります。
対象となるSNSプラットフォームには、Facebook、Instagram、X(旧Twitter)、LinkedIn、TikTok、YouTube、Snapchat、Reddit、中国のWeibo(微博)などが含まれます。具体的には、過去5年間に使用したSNSアカウント情報として、プラットフォーム名とハンドルネーム(ユーザー名)の提出が求められます。ただし、パスワードの記載は必要ありません。
SNS履歴に加えて、電話番号とメールアドレス、生体認証データ、家族についての詳細情報の提出も求められる可能性があります。官報によると、過去5年間に使用した電話番号、過去10年間に使用したメールアドレス、家族(両親、配偶者、兄弟姉妹、子ども)の名前、生年月日、出生地、居住地、電話番号などが「高価値データ」として提出対象となる見込みです。さらに、顔認証データ、指紋、DNA、虹彩スキャンといった生体情報についても、実現可能な範囲で要求される可能性があると示されています。
今回の提案は、2025年1月にトランプ大統領が署名した大統領令「外国テロリスト及びその他の国家安全保障・公共安全上の脅威からの米国保護」に基づくものです。この大統領令は、米国ビザや米国への入国を申請する外国人に対して「可能な限り最大限の」審査を実施することを求めています。デジタルアイデンティティの確認により、身分詐称や安全保障上の脅威となる人物・組織とのつながりを検出することを目指しています。
トランプ政権はすでに学生ビザの審査を厳格化しており、6月には学生ビザ申請におけるSNSアカウント審査の厳格化を表明し、申請者にはSNS投稿の内容を確認するため、誰でも閲覧可能な設定にするよう求めています。また、米国市民権・移民局(USCIS)は3月から、永住権を求める外国人にSNS情報の記載を義務付けており、使用するSNSプラットフォーム名と登録名の記入を求めています。
この規制案については60日間のパブリックコメント(意見公募)期間が設けられており、2026年2月9日まで各業界から広く意見を募ります。最終的な制度設計に反映される可能性があり、制度変更はパブリックコメントの審査後、2026年以降段階的に実施される見込みです。
プライバシー懸念と日本政府の対応
今回の規制案に対しては、プライバシー保護の観点から懸念の声が上がっています。米移民弁護士協会のオウジ元会長は米メディアに対し「人々は自己検閲するようになり、米国への渡航自体を避けるようになる」と批判しました。旅行業界からも反発の声が出ており、規制の運用詳細は明らかになっていないものの、プライバシー保護の観点から反対意見が噴出するのは確実と見られています。
木原稔官房長官は11日の記者会見で「米国には多くの日本人が渡航しており、政府として高い関心を持ち注視している」と強調しました。さらに「日本人渡航者への影響を抑える観点から、米側にさらなる情報提供を改めて働きかけた」と述べ、政府が米国側と緊密に連携しながら状況把握を続け、適切に対応していく姿勢を示しました。
トランプ政権は一連の措置を通じ入国制限を強化しており、11月に首都ワシントンで州兵2人が銃撃された事件を受け、入国を禁止・制限する国を現行の19カ国から約30カ国に増やす方向も示されています。今回のSNS情報提出義務化案は、2026年夏に開催されるサッカーワールドカップの6カ月前というタイミングで出されたものであり、大規模なスポーツイベントを控えた渡航者への影響が懸念されています。





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