三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の三菱UFJ銀行は、5〜10年の定期預金金利の大幅な引き上げを1日に発表しました。6日から施行される新金利では、10年定期の利率が現在の0.002%から2012年以来の高い水準である0.2%へと増加します。
この動きは市場金利の上昇を取り入れたもので、5、6年については現行の0.002%から0.07%に、7、8、9年は現行の0.002%から0.1%に引き上げるとのことです。
日本銀行は10月31日、金融政策決定会合でイールドカーブコントロール(YCC)の再柔軟化を決定しました。それに伴い、11月1日には長期金利が一時的に0.97%に達するという、過去10年5ヶ月ぶりの高水準を記録しました。
三菱UFJ銀行の広報担当者によれば、今後も金利動向を踏まえ、さらなる引き上げを検討するとのことです。加えて、同行は10月20日より米ドル建て定期預金の金利を1ヶ月定期で年10%とするなどの金利優遇プランを設定したことも発表しました。
ネット上では、「米ドル預金の年5%と比べると、わずか25分の1」「少なくとも2%にしなければ、全く経済的な恩恵は感じない」「見せかけのやってます感が凄いね」などの意見が寄せられています。
三井住友信託銀行も一部の定期預金で金利の引き上げを実施
日本銀行の金融政策の見直しを背景に長期金利が上昇する中、大手銀行が続々と定期預金の金利引き上げを検討しています。三菱UFJ銀行が1日に金利の引き上げを発表したことを皮切りに、2日には三井住友信託銀行も一部の定期預金に適用される金利を引き上げることを明らかにしました。
その流れを受け、三井住友銀行とみずほ銀行も同様の措置を検討中です。日本銀行の大規模金融緩和により、低水準に留まっていた預金金利に改善の兆しが見え始めています。
特に注目されるのは、三井住友信託銀行が2012年の合併以来初めて定期預金の金利を引き上げることです。満期まで解約不可の5年物の金利は、従来の0.01%から0.1%へと引き上げられました。
さらに解約可能な通常の定期預金についても、期間5~8年の商品で金利が上昇します。6日から適用されるとのことです。
三井住友銀行も近く、同水準まで金利の引き上げを行う方針であり、みずほ銀行も「引き上げる方向で検討している」と意向を示しています。今後の大手銀行の動向に注目が集まります。